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「同じ鍋なんでしょ?」値段の違いに怒鳴った女性客。だが、棚の前で先輩に示された二つの商品を見て黙った理由

  • 2026.10.25
「同じ鍋なんでしょ?」値段の違いに怒鳴った女性客。だが、棚の前で先輩に示された二つの商品を見て黙った理由

「同じ鍋なのに、どうして高いの?」

以前、私は生活雑貨を扱う店で働いていました。

平日の昼間、店内が落ち着いていたので、私は台所用品の棚を整理していました。

そこへ、片手に鍋を持った女性客が早足で近づいてきました。

「ねえ、これ。2,980円って書いてあるんだけど」

女性客は鍋を私の目の前へ差し出しました。

「向こうの棚に1,980円の鍋があったわよ。同じようなものなのに、どうしてこっちは高いの?」

突然の質問に戸惑いながら、私は商品を確認しようとしました。

けれど、手元の鍋だけでは、女性客が何と比べているのか分かりません。

「恐れ入ります。どちらの商品と比べられたか、確認しても…」

「説明はいいから安くしなさいよ」

言い終わらないうちに、強い口調で遮られました。

「同じ鍋なんでしょ?だったら安いほうの値段にしてよ」

「申し訳ありません。私の判断でお値段を変えることはできないんです」

そう伝えると、女性客の声はさらに大きくなりました。

「なんでよ。おかしいじゃない!」

通路の向こうにいたお客様も、こちらを振り返っています。私はどうにか落ち着いてもらいたいと思いながら、うまく言葉を返せませんでした。

先輩が二つの鍋を並べると……

そこへ、近くで品出しをしていた先輩が来てくれました。

「お値段のことでお困りなんですね。どちらの鍋をご覧になりましたか?」

「だから、あっちに安いのがあるのよ!」

女性客は棚の奥を指さしました。先輩は「一緒に見ていただけますか」と声をかけ、女性客をその棚へ案内しました。私も後ろからついていきました。

棚には、よく似た形の鍋が並んでいました。先輩は女性客が指した鍋と、手に持っている鍋を見比べました。

「なるほど、見た目が似ていますね。ただ、こちらは直径18センチで1,980円。お持ちのほうは24センチで2,980円なんです」

先輩がそれぞれの値札を示すと、女性客は黙って二つの鍋を見比べました。実際に並べると、大きさの違いが分かります。

「……あら、サイズが違うのね」

先ほどまでの大きな声が、急に小さくなりました。

「そうなんです。同じシリーズですが、大きさでお値段が変わります」

女性客はしばらく迷ったあと、持っていた鍋を棚に戻し、小さいほうを手に取りました。

「じゃあ、こっちにするわ」

先輩がレジの場所を案内すると、女性客は短くうなずいて歩いていきました。

私はようやくほっとしました。先輩は私に向かって軽くうなずくと、また品出しに戻りました。

相手の声が大きいと、つい言い返す言葉を探してしまいます。でもあのとき必要だったのは、まず二つの商品を並べて確かめることだったのだと思います。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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