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「ちょっと、水はねたんだけど!」旅館の洗面台で私を責めた客。直後、次に隣へ来た客の一言で態度が一変

  • 2026.10.25

空いているのに隣に来た女性客

旅館に泊まった夜のことです。

大浴場から上がり、浴衣に着替えた私は、洗面台の並ぶ部屋へ向かいました。

中には誰もおらず、洗面台はすべて空いていました。

私はいちばん奥の角を選び、顔を洗い始めました。

すると、浴衣姿の女性客が入ってきました。

ほかにも空いている洗面台があるのに、女性はなぜか私のすぐ隣へ。

化粧ポーチを置くと、身支度を始めました。

少し気になりましたが、私はそのまま顔を洗っていました。

ところが、両手ですくったお湯を顔にあてていると、突然、隣から声が飛んできたのです。

「ちょっと、水はねたんだけど!」

驚いて顔を上げると、女性は浴衣の袖をつまみ、私に見せつけるように差し出していました。確かに、小さな水のしみができています。

「あっ、すみません。気づかなくて…」

慌てて謝りましたが、女性は不満そうな顔のままでした。

「すみませんじゃなくて。ほら、浴衣がぬれちゃったじゃない!」

確かに水を飛ばしてしまったのは申し訳ありません。

ただ、ほかの洗面台はすべて空いていたのに、わざわざ隣に来たのは女性のほうです。

言い返したい気持ちもありましたが、せっかくの旅行で言い争いはしたくありません。

「…あの、向こうに移りますね」

「最初からそうしてよ」

その言葉に何も返せず、私は洗面道具を持って離れた洗面台へ移りました。

背後から聞こえた大きなため息に、楽しかった湯上がりの気分もすっかり沈んでしまいました。

今度は自分が水を飛ばしていた女性客

しばらくすると、別の浴衣姿の女性客が入ってきました。

その女性は、先ほどまで私が使っていた角の洗面台に荷物を置き、隣の女性客に軽く会釈しました。

「失礼しますね」

「……どうぞ」

先ほどまで私に強い口調で文句を言っていた女性は、短く返事をすると、ドライヤーのスイッチを入れました。

まだぬれている髪を手ぐしでかき上げ、勢いよく風をあてています。

すると、髪から飛んだ細かな水滴が、隣に来た女性客の腕にぱらぱらとかかり始めました。

離れた洗面台にいた私からも、その様子が見えていました。

水滴に気づいた女性客が、自分の腕を見てから声をかけました。

「あの、かかってますよ」

その瞬間、ドライヤーを使っていた女性の手がぴたりと止まりました。

隣の女性客の腕を見て、今度は自分が水を飛ばしていたことに気づいたようです。

「あっ……すみません」

先ほどの威勢はどこへやら。女性は気まずそうに視線を落とし、ドライヤーの向きを壁のほうへ変えました。

ついさっき、私にはあれほど強い言葉を向けていたのに、自分も同じようなことをしていたのです。

隣の女性客はハンカチで腕を拭くと、何事もなかったように身支度を続けました。

そして、ふと私と目が合い、小さく笑いました。私も思わず笑い返してしまいました。

もちろん、最初のやり取りを知らない女性客に、何かを言い返してもらったわけではありません。

それでも、あれほど強気だった女性が小さな声で謝る姿を見て、沈んでいた気持ちが少し軽くなりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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