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「あの人には、一生言わないつもり」二度も詐欺でお金を失った姉。夫の前で見せた笑顔の裏側

  • 2026.10.25

「本当に戻るんですね」と確かめた姉

姉がインターネットで知り合った相手にだまされ、大きなお金を失ったのは、少し前のことです。

姉は夫である義兄にも被害をすべて打ち明け、二人ともひどく落ち込んでいました。私も心配で、ときどき姉の家に顔を出していました。

ある日の昼、姉の家を訪ねると、居間で姉が携帯電話を耳に当てていました。背中を丸め、相手の話を聞きながら何度もうなずいています。

「はい……本当に、戻るんですね?」

私に気づいた姉は、慌てて電話を切りました。

「今の、誰から?」

「ああ、うん。手続きの話だから。大丈夫」

姉はそう言って笑い、お茶をいれに台所へ向かいました。

私は最初の被害に関する連絡だろうと思い、それ以上は聞きませんでした。けれど、あのとき姉が見せた必死な表情が、妙に気になっていました。

「お金を取り戻せます」その言葉を信じた結果

それからというもの、姉は目に見えて元気をなくしていきました。

話しかけても上の空で、携帯電話が鳴るたびに肩をびくっとさせます。

心配になった私は、二人きりになったときに尋ねました。

「ねえ、何かあったんじゃない?あの電話のあとから、ずっと様子が変だよ」

姉はしばらく黙り込んでいましたが、やがて小さな声で話し始めました。

あの日、知らない相手から電話がかかってきたそうです。

「最初にね、『お金を取り戻せます』って言われたの」

ただし、お金を取り戻すためには、先に手続き費用を払う必要があると言われたそうです。

姉は失ったお金を取り戻したい一心で、その費用を払ってしまいました。しかし、結局お金は戻ってきませんでした。

「また払っちゃった…。どうしよう」

うつむいた姉を前に、私もすぐには言葉が出ませんでした。

私はすぐに消費生活センターへ相談しました。相談員からは、これ以上お金を払わないことや、知らない番号からの電話には出ないことを助言されました。

姉は携帯電話の番号を変え、その後は怪しい電話もかかってこなくなりました。

夫に言えないまま迎えた引っ越し

「お義兄さんには、このこと話したの?」

私がそう尋ねると、姉は首を横に振りました。

「……言わない」

「でも、前のときは二人で話したんでしょう?」

「うん。でも、今回は……」

姉は湯のみを両手で包んだまま、ぽつりと言いました。

「あの人には、一生言わないつもり」

その表情を見ていると、私はそれ以上、何も聞けませんでした。

やがて姉の家族は家を売り、小さな部屋へ引っ越しました。

義兄は、家を手放すことになったのは最初の被害が原因だと思っているようです。

二度目の支払いについては、今も知りません。

引っ越しの手伝いに行った日、段ボール箱が積まれた居間で、姉は座卓をはさんで私にお茶をいれてくれました。

「狭いけど、住めば都よ」

姉が笑ってそう言うと、奥の部屋で荷ほどきをしていた義兄の笑い声が聞こえてきました。

ところが、姉は私と目が合った瞬間、ほんの少しだけ首を横に振ったのです。

その笑顔は、どこかこわばって見えました。

私は何も言わず、湯のみを手に取りました。

二度目の支払いを知っているのは、家族の中で姉と私だけです。

あの穏やかな引っ越しの日を思い出すたび、姉はこれからも秘密を抱え続けるつもりなのだろうかと、胸が重くなります。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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