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「子どもの金は親が預かるもんだ」孫のお年玉に手を伸ばした父。だが、私が初めて打ち明けた子ども時代の本音

  • 2026.10.25

毎年、父に取り上げられたお年玉

子どものころ、正月に親戚からお年玉をもらうのが何より楽しみでした。

袋を受け取るたびに、何を買おうか、いくら貯めておこうかと、わくわくしたものです。

ところが、親戚が帰ると、決まって父が私の前に手を差し出しました。

「子どもが金なんか持ってても、ろくなことにならん。ほら、よこしなさい」

もらったお年玉は、毎年すべて父に取り上げられました。

怖くて言い返すこともできず、そのお金が何に使われたのかも分からないままでした。

大人になった今でも、正月になると思い出す出来事です。

そんな私も父親になり、今年の正月は小学生の息子を連れて実家に帰りました。

居間に集まった親戚からお年玉をいくつももらい、息子は大喜びです。

親戚が帰ったあとも、私の隣に座り、座卓の上にお年玉の袋を並べては、うれしそうに眺めていました。

すると、向かいに座っていた父が口を開きました。

「ずいぶんもらったな。子どもにそんな大金持たせて、どうするんだ?」

嫌な予感がしました。

私が返事をする前に、父は座卓の向こうから身を乗り出し、息子のお年玉に手を伸ばしたのです。

「ほら、それはじいちゃんが預かっておこう」

息子は慌てて袋を胸に抱え込み、困った顔で私を見上げました。

それでも父は手を引っ込めません。

「子どもの金は親が預かるもんだ。俺もそうしてきた。お前のときもそうだっただろう?」

父の前に置いた、息子名義の通帳

その言葉を聞いた瞬間、子どものころの悔しさがよみがえりました。

私は父の顔を見て、ゆっくり口を開きました。

「覚えてるよ。俺のお年玉、毎年全部持っていったよね」

父は少し驚いたような顔をしました。

「あのお金、結局どうなったのかも分からなかった。俺、ずっと嫌だったんだよ」

父が何か言おうとしたところで、私は続けました。

「でもさ、父さん。この子の親は俺だよ。父さんが預かる話じゃないだろ」

そして、かばんから息子の名前が入った通帳を取り出し、座卓の上に置きました。

「ちゃんとこの子の通帳を作ってあるんだ。お年玉は、帰りにこの子と一緒に入れに行くつもりだよ」

父は通帳に目を落としました。

「俺のときは父さんに何も言えなかったけど、この子には同じ思いをさせたくないんだ」

父は口を開きかけましたが、結局何も言いませんでした。

すると、台所にいた母がのれんの向こうから顔を出しました。

「そうね。それがいいわ」

母の言葉を聞いた父は、黙って手を引っ込めました。座り直すと、お茶をひと口すすり、それ以上は何も言いませんでした。

隣にいた息子が、私の袖をそっと引っ張りました。

「パパ、これ、ぼくの通帳に入れるの?」

「そうだよ。お前がもらったお年玉だからね。何に使うかも、自分で決めていいんだよ」

「うん! じゃあ、大事にする!」

息子はうれしそうにうなずくと、抱えていた袋を通帳の上にそっと重ねました。

父は向こうを向いたままでしたが、もう息子のお年玉に手を伸ばすことはありませんでした。

子どものころの悔しさが消えたわけではありません。それでも、息子のお年玉を守れたことに、私はほっとしました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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