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「客を追い出すのか!」閉店後も居座る酔った客。店長不在の中、私を救った1本の電話とは

  • 2026.10.25

閉店の時間を過ぎても立たない客

飲食店で働いていたころの話です。

その日、私は夜のシフトをひとりで任されていました。

閉店時間が近づき、ほかのお客さんはすでに帰っていました。あとは最後のお客さんに帰ってもらい、片づけを済ませるだけです。

ところが、店内に残っていた男性客が、なかなか帰ろうとしません。

男性はかなりお酒を飲んでいるようで、顔は真っ赤。テーブルに肘をついたまま、椅子に深く座っていました。

閉店時間になったので、私は男性の席まで行き、声をかけました。

「お客様、すみません。閉店のお時間になりました」

すると男性は、面倒くさそうに顔を上げました。

「ああ?まだいいだろ」

「申し訳ありませんが、そろそろお帰りいただけますか」

そうお願いすると、男性は不機嫌そうに椅子へ座り直しました。

「俺は座るんだ。客を追い出すのか」

「いえ、そういうわけでは…。ただ、もう閉店の時間でして」

「客だぞ。こっちは!」

男性は声を荒らげ、テーブルをたたきました。

私が何度お願いしても、帰ろうとする様子はありません。

店内にほかのお客さんはおらず、対応できる従業員も私だけ。男性の大きな声が響くたびに、胸がどきどきしました。

困り果てて店長に電話をかけましたが、つながりません。

このまま帰ってもらえなかったらどうしよう。

私はエプロンのすそを握りながら、男性の様子をうかがっていました。

迎えに来た奥さんの一言

そのとき、男性の上着のポケットから携帯電話の着信音が聞こえました。

男性は面倒くさそうに電話に出ました。

「なんだよ……。いつもの店だよ。まだ飲んでるんだ。……いいだろ、別に」

そう言って電話を切ると、再びテーブルに肘をつきました。

しばらくすると、入口の扉が開き、ひとりの女性が入ってきました。

女性は男性の席へまっすぐ向かい、座ったままの男性を見下ろしました。

「ちょっと、何してるの。こんな時間まで!」

「いや、まだ飲んでるんだよ」

「もう帰るわよ。お店の人が困ってるじゃない」

女性は私のほうをちらりと見てから、男性に向き直りました。

「ほら、いつまで座ってるの。早く立って」

「でも、俺は客だし…」

「客だからって、閉店しても居座っていいわけじゃないでしょう」

男性は何か言い返そうと口を開きましたが、女性の顔を見ると、言葉を飲み込んだようでした。

「……わかったよ」

先ほどまで私に向かって怒鳴っていた男性が、急に声を小さくしたのです。

女性に促され、男性はようやく椅子から立ち上がりました。

女性は私に向かって深く頭を下げました。

「すみません。本当に、夫がご迷惑をおかけしました」

そこで、迎えに来た女性が男性の奥さんなのだと分かりました。

男性も気まずそうに目を伏せ、私に小さく会釈をしました。

奥さんに腕を引かれながら、男性は黙って店を出ていきました。

ようやく扉が閉まり、店内が静かになりました。

私は大きく息を吐き、入口の札を「閉店」に返しました。

あれだけお願いしても動かなかった男性が、奥さんの一言で立ち上がったことには驚きました。

何より、無事に帰ってもらえたことに、心からほっとした夜でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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