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「今すぐネットと同じ値段に引き下げろ」家電量販店のレジで怒鳴る男性客。だが、後ろの父親が返した一言

  • 2026.10.24

10人以上が並ぶレジで始まった値下げ要求

5年ほど前、家電量販店でレジのアルバイトをしていたころの話です。

週末の夕方で店内は混み合い、私が担当するレジにも10人以上のお客さまが並んでいました。

そんななか、50代くらいの男性が電源タップの箱をひとつ、レジ台に置きました。

会計を進めようとしたところ、男性は財布を出さず、不機嫌そうに私を見ました。

「これ、ネットじゃもっと安いぞ。なんでこんなに高いんだよ」

突然の言葉に戸惑いながらも、私は頭を下げました。

「申し訳ございません。こちらは店頭での販売価格となっております」

すると男性はレジ台に両手をつき、身を乗り出してきました。

「そんなの知らねえよ。今すぐネットと同じ値段に引き下げろよ」

「申し訳ありませんが、ネットの価格には変更できないんです」

そう伝えた途端、男性の表情が険しくなりました。

「はあ?客をバカにしているのか!」

声の大きさに驚き、私は急いで店長を呼びました。

その間も男性はレジ台をこぶしでたたき、私を指さして怒鳴り続けます。

「お前じゃ話にならない!名前を教えろ!」

周囲のお客さまもこちらを見始め、私はすっかり萎縮してしまいました。

「ネットで買えばいいんじゃないですか」父親の一言

駆けつけた店長は私の隣に立ち、落ち着いた声で説明しました。

「お待たせして申し訳ありません。ですが、店頭ではこちらの価格でお願いしております」

それでも男性は納得しません。

「言い訳はいい!下げるまでここを動かないからな!」

レジの列はなかなか進まず、後ろのお客さまたちからはため息も聞こえてきました。

どうしたらいいのだろうと困っていた、そのときです。

列の先頭近くに並んでいた家族連れの父親が、男性に声をかけました。

30代くらいの夫婦で、母親は小さな子どもと手をつないでいました。

父親は少し困ったような顔をしながらも、穏やかな口調で言いました。

「すみません。ネットのほうが安いなら、ネットで買えばいいんじゃないですか。みんな、待ってますので」

男性は父親のほうを振り返りました。

「……なんだよ」

言い返そうとしたようでしたが、父親の後ろにも待っている人たちがいるのを見ると、それ以上は何も言いませんでした。

近くにいたお客さまのなかには、小さくうなずく人もいました。

しばらく黙っていた男性は、電源タップの箱をレジ台に置いたまま、足早に出口へ向かっていきました。

男性が立ち去ったあと、父親と手をつないでいた子どもが、その顔を見上げました。

「パパ、かっこいい」

その声を聞いて、張り詰めていた私の気持ちも少しだけ和らぎました。

私は家族連れに小さく頭を下げ、次のお客さまに向き直りました。

「大変お待たせいたしました」

ようやくレジの列が動き始めました。

値段に納得できない気持ちは分かります。それでも、店員に怒鳴ったり、ほかのお客さまを待たせたりしていいわけではありません。

あの父親が落ち着いた声で伝えてくれた一言は、今でも印象に残っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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