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「女子トイレを使っていいよ」が相手を傷つけている?トイレの誤解と、無意識の差別【#むちぞん】

  • 2026.10.23

世の中の「知らないと損する」話題を、北海道から「ざっくり」深掘りするHBCのWEBトーク番組「むちぞん~無知は損する~」。

情報があふれる現代社会で、「もやもやする話題」や「実は知らないと損する知識」を、その道の第一人者をお招きしてじっくり聞いていこうという企画です。

第3回のテーマは、知らないことで、近くにいる人を傷つけているかもしれない…「性の多様性」について考えます。

ゲストに、HBCテレビ「今日ドキッ!」のコメンテーターであり、Sitakkeでもお悩み相談連載を担当している満島(みつしま)てる子さんをお迎えしました。

聞き手は、HBC本間吏成(ほんま・りせい)アナウンサーと、WEBマガジン「Sitakke」編集長・幾島奈央(いくしま・なお)です。

これまでの記事は連載「むちぞん」に掲載しています。

「無知は損しかしない」当事者の存在が見えていない無知

本間アナ)ナビゲーターのHBCアナウンサー・本間吏成です。今回のテーマは「知らないことで近くにいる人を傷つけているかもしれない」ということでお送りしたいんですが、主に①トイレについて真面目に考えたい②無邪気に恋バナがしたい③かたくなに否定する人にはどうするという3つのテーマでお送りします。ゲストは満島てる子さんです!

てる子さん)よろしくお願いします。女装のゲイの満島てる子です。「その道の第一人者」なんてご紹介いただきましたけれど、私そんなふうになれるのかなとドキドキしておりますが、楽しくお話しさせていただければと思います。

本間アナ)てる子さん、この番組「無知は損する」というテーマなんですけれど、無知って損しますか?

てる子さん)無知は損しかしないんじゃないですか?どうですか、本間さんは?

Sitakke

本間アナ)得は間違いなくしてないだろうなと思っていて、いろいろと知っていかなきゃなと思ってるんですよね。

てる子さん)例えば「お米の研ぎ方を知らなかったから米が炊けなかった」みたいなのって、すごく典型的な無知ですよね。だけどそれ以外の無知もいろいろあるんじゃないかなと思っていて。具体的に言うと、「自分がそのこと、あるいはその人たちについて知らないということを自覚していないタイプの無知」もあると思うんです。

つまり、自分たちが知らないカテゴリーに該当する人たちのことすら見えていない状態でその人と付き合ってしまうことで、いろんな人を傷つけたり、きちっとした信頼関係を築けなかったりする無知ってあると思うんですよね。

本間アナ)結局その人たちは、傷つけていることにも気づいていないわけですよね。

てる子さん)そうですね。無知の間に誰かにショッキングな思いをさせてしまっているかもしれないというところを伝えられたらなと思っています。

本間アナ)きょうはSitakkeの幾島奈央編集長と一緒にお届けします。

幾島)Sitakkeは多様な生き方や価値観を応援するWEBマガジンということで、てる子さんにもライターとして活躍してもらっていて、いつもお世話になっています。

てる子さん)こちらこそ、本当にお世話になっております!

本間アナ)てる子さんにはHBCテレビ「今日ドキッ!」のコメンテーターや、Sitakkeのお悩み相談コラムのライター、HBCラジオ「したっけラジオ」のパーソナリティも務めていただいていて。テレビ・ラジオ・WEBと制覇されていると(笑)

てる子さん)いやいや、ありがとうございます。

本間アナ)てる子さんの経歴やプロフィールもお伺いしてよろしいですか?

Sitakke

てる子さん)画面を見て「突然派手なの現れてお前誰やねん」と思っている方もいるかもしれないので自己紹介させていただきますと、私、満島てる子と申しまして、本名は杉山和希(かずき)と言います。

三重県出身なんですが、進学の関係で北海道に来まして、北海道大学大学院の文学研究科修士課程を修了させてもらっています。

今はセクシャリティフリーのバー「7丁目のパウダールーム」の店長をやらせてもらっています。お店をやらせてもらいながら、性的マイノリティの人たちが街を練り歩く「札幌レインボープライド」というパレードの副実行委員長を2024年まで務めさせていただきました。そこからご縁があって、小中高校や大学、企業さん向けに性的マイノリティに関する講演活動などもさせてもらっています。

個人的なことを言うと、ゲイです。小学校に入る前の幼稚園の段階で、とあるアニメの男性キャラクターにものすごくときめいた記憶があって、それが初恋だったと思うんですよね。
そのあたりから気づいていて、いよいよ思春期に入ってゲイだと自覚しつつも、大学で北海道に来るまでは誰にも公表せずに生きていました。理解してもらえると思っていなかったからです。

だから今は情報発信をすることで、自分が小さいことに感じていたつらさを感じる人が減るようにと思って活動しています。

Sitakke

本間アナ)公表のきっかけは何だったんですか?

てる子さん)大学院時代にメンタルのバランスを崩して休学していて、そこにもゲイが関わっているんですが、その時期に、女装をしてバーでアルバイトをしたいと親に電話したのがきっかけでした。

親から「そんなことしてたら、いい父親になれないよ」と言われて、「今言わないといつ言うタイミングが来るか分からない」と思って「男性が好きだ」と打ち明けたんです。

そこでたまたま、本当に運よく親が受け入れてくれて。すごく理解しようとしてくれて、大学のLGBTQ講義を聴きに行ってくれたりしたのを見て、「自分もどんどん発信していかなきゃ」とフルオープンで活動するようになりました。

トイレについて真面目に考えたい

本間アナ)今回は「トイレについて真面目に考えたい」というテーマですが、幾島さん、これはどういう経緯だったんですか?

Sitakke

幾島)てる子さんに来てもらったきっかけが、トイレについての話題でした。てる子さんはゲイなんだけれど見た目は女装をされているというところで、「女子トイレに案内していいんだよ」「女子トイレ使っていいよ」と勧められることがあると聞いて。それって本当は勘違いや誤解に基づく発言で、てる子さんを傷つける発言だったりするんですよね。

本間アナ)よかれと思って言ってしまうわけですね。

幾島)そうなんです。無意識のうちに良かれと思って言ってしまう。私たちも一緒に働く中で、知らずに傷つけてしまうことがあるかもしれないし、てる子さん以外にもそういう方が絶対にいる中で、メディアとして公の場でしっかり話し合った方がいいんじゃないかと思って企画しました。

ただ前提として、きょうすごくパーソナルな部分に触れる質問をします。わからないことをそのままにせずに聞こうという姿勢で我々も接しますが、話したくないことは話さなくて構いません。

てる子さん)すごく配慮いただいて。私はパーソナルなことを聞かれても答えると、発信者の立場で決めていますが、きょうの話題は日常で周囲の人に気軽に聞いていいわけではないというのは視聴者のみなさんにもわかっていてほしいですね。

幾島)私たちも、きょうこの収録が「こわいね」と話してたんだよね。

Sitakke

本間アナ)そうなんです。知らなきゃいけないと思いつつ、傷つけてしまうんじゃないかというこわさがある。だからきょう、ぼくたちが間違っていること、傷つける可能性のある発言があればどんどん教えてほしいです。

てる子さん)そうですね。当事者の中には傷ついて立ち直れない人もいます。だからこそ、私のように発信できる人間が「それはやめようね」「これがいいんだよ」とバンバン言っていくのが使命だと思っているので、何でも聞いてください!

幾島)私たちもこわいけれど、無知なままが一番いけないよねと思いながら、ドキドキしつつも話していけたらと思います。

本間アナ)最初から失礼を承知でお聞きしますが、てる子さんはどちらのトイレを使われるんですか?

てる子さん)男女のトイレが目の前に用意されたら、私は「男子トイレ」を使うタイプです。

Sitakke

てる子さん)こういうメイクをしてワンピースを着ているのでよく勘違いされるんですが、私は自分のことを「男性」だと思っていて、男性であることに自分自身が疑いを持っていない当事者なんです。男性で、男性が好きな「ゲイ」です。

性別を変えたいトランス女性ではないので、選択肢が男女の2択しかないときは法律上の事情も考えて男子トイレを使います。ただ、どちらにしてもいろんなストレスがあるんですよ。一番理想的なのは「多目的トイレ」で、あればそれを使っていますね。

本間アナ)私もHBCの男性トイレの中でてる子さんとお会いしたことがあって、勝手にきれいな恰好をされているので「女性トイレなのかな」と思い込んでいたので、驚いて「おっ」となってしまったんですよね。

てる子さん)街中の男性トイレに入るとぎょっとされることが多いですね。知らない人ならぎょっとされるし、私がゲイと知っている方でもトイレで会うとびっくりされてしまうことが多いですね。

本間アナ)女装はどうしてしているんですか?

てる子さん)そこは複雑なタイプですね。女性になりたくて体や戸籍を変えていく方もいれば、異性愛者だけれどもファッションの方もいる。

私の場合は、ゲイ文化の中に「ドラーグクイーン」というパフォーマンス文化があって、その一環で始めたんです。今はお仕事のときの「スーツ」を着るような感覚で女装をしています。

性のあり方について、次回は「4つの指標」をもとに丁寧に解説していきます。自分の性のあり方がそれぞれどこに当てはまるか、考えながらご覧ください。

むちぞん~無知は損する~

Sitakke

HBCニュースのYoutubeで動画を公開しています。

HBCアナウンサー・本間吏成

稚内市出身。HBCラジオ「気分上昇ワイド ナルミッツ!!!」パーソナリティ、野球実況、HBCテレビ「キタコイ」を担当。Sitakkeでは「むちぞん~無知は損する~」や「アライマ(アラサーの今、話してみた)」に出演。好き勝手に喋るので、リスナーからは「ナルミッツの毒」と言われる。

Sitakke編集長・幾島奈央

報道記者時代に、結婚の自由を求める訴訟などを通して性の多様性について取材。現在はWEBマガジン「Sitakke」と、クマと人のいい距離の保ち方を考えるサイト「クマここ」の運営を担当。

ゲスト:満島てる子さん

三重県出身、北海道大学大学院文学研究科修士課程修了。札幌・すすきののバー「7丁目のパウダールーム」店長。HBCテレビ「今日ドキッ!」コメンテーター、HBCラジオ「したっけラジオ」パーソナリティ、Sitakkeお悩み相談コラムのライターを務める。

※掲載の内容は収録時(2026年7月)の解説・議論に基づきます。

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