1. トップ
  2. 「あえて完璧にしない」漫画『鋼の錬金術師』『黄泉のツガイ』荒川弘先生に特別インタビュー

「あえて完璧にしない」漫画『鋼の錬金術師』『黄泉のツガイ』荒川弘先生に特別インタビュー

  • 2026.10.22

全世界シリーズ累計9000万部を超える大ヒット漫画『鋼の錬金術師』(通称・ハガレン)。そして月刊『少年ガンガン』で連載中の『黄泉のツガイ』。
作者の荒川弘先生は、北海道・十勝出身です。

北海道での経験が、漫画のあのシーンにつながっている?
魅力的なキャラクターが生まれる理由は?

Sitakke

同じく十勝出身の「HBC演劇エンタメ研究会(通称“エンケン”)」森結有花(もり・ゆうか)アナウンサーが、荒川先生にたっぷりとお話を伺いました!

Sitakke
荒川弘先生とHBC・森結有花アナウンサー

『鋼の錬金術師』『黄泉のツガイ』とは?

荒川先生の代表作『鋼の錬金術師』は、亡くなった母親を蘇らせるため、禁忌とされる「人体錬成」を行ったエドワードとアルフォンスの兄弟が、その代償として失った身体を取り戻すため、「賢者の石」を探す旅を描いたダークファンタジー。全世界シリーズ累計9000万部を超える大ヒット作品です。

Sitakke
©Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX

『黄泉のツガイ』は、現在月刊『少年ガンガン』で連載中の荒川先生の最新作。
夜と昼を別つ双子ユルとアサを中心に、二人を取り巻く謎と思惑、そして一対の存在「ツガイ」が交錯する、運命に抗う兄妹の物語。

Sitakke
©Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX

2026年に『鋼の錬金術師』は作品生誕25周年、『黄泉のツガイ』は5周年を迎えました。
節目の年を記念して、両作品のストーリー・キャラクターの魅力を存分に体験できる展覧会「鋼の錬金術師×黄泉のツガイ展」が、2026年10月14日(水)~ 11月1日(日)の期間、大丸札幌店で開催されています。

森アナは、展覧会で作品の世界を味わった後、特別インタビューをさせていただきました。

Sitakke
憧れのキャラクターの世界に没入する森アナ

2作品合同は超レア!「どちらの世界も楽しめる」空間

――北海道での展覧会開催、まさに「おかえりなさい!」という気持ちです!地元での開催について、今のお気持ちをお聞かせください。

荒川先生:
ありがとうございます。以前も原画展をやらせていただいたのですが、まさかこんなに早く帰ってこられるとは思っていなかったので、すごく嬉しいですね。道民の皆さんがいつも温かく迎えてくださって、本当にありがたいです。

――今回は2作品合同という非常に珍しい展覧会ですね。

荒川先生:
そうなんです。単独での原画展はこれまでもありましたが、2作品が合体した展示というのはなかなか珍しくて。会場内も2つのエリアに分かれていて、どちらの作品もたっぷり楽しめる作りになっています。作者である私自身も楽しませてもらいました。

Sitakke
展示会の入口には、荒川先生の金の像が!

作品に息づく「北海道・十勝の感性」とは?

――荒川先生の作品には、北国の厳しい冬や広大な自然が魅力的に描かれていますが、やはりご自身の北海道での経験が反映されているのでしょうか?

荒川先生:
そうですね。『鋼の錬金術師』に登場する北の国の描写などは、やっぱり描くのが楽でした(笑)。『黄泉のツガイ』も主人公が山育ちですが、私も十勝のド田舎育ちなので、山育ちの感性というか、人が少ないけれど人の手が入った自然、雑草の生え方、(実家が農家なので)家畜や作物の雰囲気などは苦労せずに自然と描けますね。資料集めやアシスタントさんに指示を出すのも楽だったりします。

――作中に登場する厳しい吹雪のシーンなども、やはり地元・十勝の風景がベースになっているのでしょうか?

荒川先生:
入っているかもしれないですね。北海道の中でも地域によって雪の降り方に違いがあると思っていて。地元の十勝は遮るものがなくて、風がずっと吹き荒れる「地吹雪」が多かったので、そういう厳しい冬の空気感は自然と作品ににじみ出ているのかなと思います。

Sitakke

キャラクター作りのこだわりは、ほんの少しの「嫌なところ」

――荒川先生の作品は、男女問わずかっこよく、魅力的なキャラクターばかりです。描く際に意識されていることはありますか?

荒川先生:
男女問わず、とにかくかっこよく描きたいというのは前提にあります。その上で、ちょっとおちゃめな部分を入れて「人間くささ」を出すようにこだわっています。それとは別に、自分の価値観の中で「嫌だな~」と感じる部分を少しだけ混ぜたりしています。あえて完璧にせず、性格にギャップや高低差をつけるよう意識していますね。読者さんによっては「そこが良い」と言われたりもします。

Sitakke
『鋼の錬金術師』に登場するホークアイ中尉のヘアスタイルを意識したと話す森アナ

――今回の展覧会で、荒川先生がおすすめしたい見どころはどこですか?

荒川先生:
見どころはたくさんありますが、まずは『黄泉のツガイ』エリアにいる立体のガブリエルですね!あれはすごく良い写真撮影スポットだと思います。私もガブリエル単体で写真を撮りました。一緒には撮ってないですが…(笑)。

あとは「段野家のリビング」の再現エリアですね。企画担当者さんが「やりたい!」と言って作ってくれたのですが、私も実際に会場で見て笑ってしまいました。テレビで「某作品」がちゃんと流れているので、ぜひ細かいところまで注目して見てほしいです。

Sitakke
ガブリエルに、ガブっとされちゃう…!?

――『鋼の錬金術師』エリアはいかがですか?

荒川先生:
あの「電話ボックス」の再現エリアですね。東京会場でもすごく人気だったらしくて。

――私は泣いちゃうかと思いました…!先生としてはこのシーンを再現されることは予想されていましたか?

荒川先生:
予想外でしたね!人気があるシーンなのはわかってたんですが、これを使ったか!と。しかも声優さん(マスタング役:三木眞一郎さん)録りおろし音声がボリュームたっぷりで流れているので、見どころですね。

Sitakke

――今回も原画がたくさん展示されていますね。すごく贅沢だと感じました。

荒川先生:
久しぶりに『鋼の錬金術師』の原画なんかを見ると、やっぱり「うわぁ、線が若いな〜!」とか、「若いけど、勢いがあるな」って思いましたね。私はアナログで描いているのでインクの乗りやスクリーントーンとか、印刷されたものを見るよりも立体感があったり、原画の隅に落書きがあったり。そんなところも楽しんでいただけたらと思います。

Sitakke

進路や生き方に迷う読者へ「まずは飛び出してみて」

――先生の作品のキャラクターたちが、強さの中に「悩み」を抱えていて、その姿に私は共感したり応援させてもらったりという気持ちがありました。今北海道で暮らしている、これからの生き方や目の前の課題に悩んでいる方々へ、荒川先生からメッセージをいただけますか?

荒川先生:
エドとアル(鋼の錬金術師)も、ユルとアサ(黄泉のツガイ)も、もともといた場所を飛び出すところから世界が広がっていくので…迷っているときは今いるところから、一歩外に出てみるのもアリなのではないかな、と思います。その一歩を大きく踏み出す必要はなくて、小さいところから目標を立てていって、達成していく。スケジュールを作って、夢を叶えられるように、一つ一つ成功体験を積み重ねていけるといいですよね。

――最後に、札幌会場に来場する方々へ、荒川先生から一言メッセージをお願いします。

荒川先生:ちょうどこれから、札幌は寒くなる季節ですので、ぜひ会場に来て、あったまっていってください!

――荒川先生、本日はありがとうございました!

Sitakke

開催概要

イベント名:鋼の錬金術師×黄泉のツガイ展
会場:大丸札幌店 7階ホール(北海道札幌市中央北5条西4丁目7)
会期:2026年10月14日(水)~ 11月1日(日)
開場時間:午前10時~午後7時
※最終日は午後5時閉場/入場は閉場の1時間前まで

Sitakke

文:Sitakke編集部YASU子

※執筆の内容は取材時(2026年10月13日)の情報に基づきます。最新の情報はイベント主催者等にお問い合わせください。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ