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「早くして」と舌打ちし、ソックスを投げた女性客。言い返せずにいた私に代わって、隣の先輩が口を開いた

  • 2026.10.23
「早くして」と舌打ちし、ソックスを投げた女性客。言い返せずにいた私に代わって、隣の先輩が口を開いた

レジ台に投げられたサッカーソックス

学生のころ、私はスポーツ用品店でレジのアルバイトをしていました。

ある日の昼どき、店内は比較的落ち着いていて、私はレジの内側でお客さんを待っていました。

隣のレジには、パートの先輩が立っていました。

そこへ、30代くらいの茶髪の女性客が、サッカー用のソックスを手にやってきました。

女性客は眉間にしわを寄せたまま、レジ台にソックスを放り投げました。

「これ」

それだけ言うと、財布を取り出しながら顔をそむけます。

少し驚きましたが、私は何も言わずにソックスを手に取り、バーコードを読み取りました。

「袋にお入れしますか?」

「早くして」

女性客は小さく舌打ちをすると、指先でレジ台をこつこつと叩き始めました。

返事になっていないことに戸惑いながらも、私は会計を済ませ、急いで商品を袋に入れました。

ただ、むっとした気持ちが顔に出てしまっていたのかもしれません。

袋を差し出そうとした瞬間、女性客が私の顔をじっと見ました。

「なに、その顔」

「えっ……いえ、そんな……」

私が答えようとすると、女性客はさらに声を大きくしました。

「あんた態度悪いね、教育がなっていないんじゃない?」

いつの間にか私のレジの後ろには何人かのお客さんが並んでいて、その声に驚いたようにこちらを見ていました。

恥ずかしさと悔しさで、顔が熱くなりました。

最初に商品を投げたのはそちらなのに。そう言い返したくても、アルバイトの私には何も言えませんでした。

隣のレジから聞こえた、先輩の一言

袋を持ったまま立ちすくんでいると、隣のレジにいた先輩が、女性客のほうへ体を向けました。

そして、いつもの穏やかな声で話しかけたのです。

「申し訳ございません。ただ、お客様。商品は投げずにお渡しいただけますか?」

女性客は先輩の顔を見ました。

先輩は表情を変えずに続けました。

「ほかのお客様にも、同じようにお願いしているんです」

責めるような口調ではありません。それでも、伝えるべきことははっきりと伝えていました。

女性客は何か言いかけましたが、結局、言葉を返しませんでした。

後ろに並んでいたお客さんたちが、小さくうなずき合うのが見えました。

女性客は私の手から袋をひったくるように受け取ると、誰とも目を合わせず、足早に店を出ていきました。

自動ドアが閉まり、私はようやく肩の力を抜きました。

すると先輩がこちらを向いて、明るく声をかけてくれました。

「今の、気にしなくていいよ。ちゃんと対応できてたからね」

「……ありがとうございます。本当に助かりました」

そう答えると、張りつめていた気持ちが少し楽になりました。

次のお客さんが、買い物かごをそっとレジ台に置いてくれました。私は気持ちを切り替え、いつもどおり会計を始めました。

あの日、先輩は声を荒らげることなく、私を助けてくれました。

今でもレジで嫌な思いをしたときに思い出すのは、隣に立っていた先輩の穏やかな笑顔です。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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