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「新人さんか。ほんと使えないねえ」居酒屋で注文を聞き返した私を見下す男性。だが、ベテラン店員の質問に赤面した瞬間

  • 2026.10.23
「新人さんか。ほんと使えないねえ」居酒屋で注文を聞き返した私を見下す男性。だが、ベテラン店員の質問に赤面した瞬間

初めての注文で飛び出した「いつもの」

初めて飲食店で夜のアルバイトをしたころの話です。

カウンター席のある小さな居酒屋で、その夜、私は初めてお客さんの注文を取ることになりました。

相手は、カウンター席に座った40代くらいの男性です。

私はカウンターの外側の通路に立ち、注文票を握りながら声をかけました。

「ご注文はお決まりですか?」

すると男性は、私を見上げて言いました。

「いつものやつで頼むわ!」

私はその男性に会うのも初めてでした。当然、「いつもの」が何なのか分かりません。

間違った料理を出してしまうわけにはいかないので、思い切って聞き返しました。

「すみません。私、まだ分からなくて……何をお出しすればいいでしょうか?」

すると男性は、大きなため息をついたのです。

隣に座っている常連さんたちをちらりと見てから、声を張り上げました。

「いつものやつって言ったらいつものやつよ!」

さらに、カウンターを指でこつこつたたきながら続けます。

「新人さんか。ほんと使えないねえ」

その言葉に、顔が一気に熱くなりました。

確かに私は新人です。

でも、初めて会うお客さんの注文を知らないのは、どうしようもありません。

かといって言い返すこともできず、周囲のお客さんの視線を感じながら、立ち尽くしてしまいました。

ベテランの先輩も聞き返した「いつもの」

そのとき、厨房の奥から先輩が出てきました。

この店で長く働いている女性で、常連さんの顔や注文もよく覚えています。

先輩は私の横に立つと、男性に向かってにこやかに尋ねました。

「すみません。いつものって、どれでしたっけ?」

その瞬間、男性の表情が変わりました。

「いや、その……」

さっきまで大きな声を出していたのに、急に言葉を詰まらせたのです。

先輩にとっても、その男性の「いつもの」が何なのか分からなかったようでした。

隣の常連さんたちが顔を見合わせ、小さく笑いました。

男性は耳まで赤くすると、黙ってメニューを手に取りました。

そして、料理を一つずつ指さしながら、小さな声で注文し始めたのです。

「……これと、これ」

「はい、かしこまりました」

先輩は普段どおりの笑顔で注文を書き取ると、私に小さく目配せしました。

私はようやくほっとして、厨房に注文を通しました。

男性はその後、誰とも話さずに食事を済ませ、早々に帰っていきました。

閉店後、片づけをしていると、先輩が笑いながら言いました。

「常連さんの『いつもの』なら、たいてい分かるんだけどね」

私も思わず笑ってしまいました。

分からないまま適当に注文を受けなくてよかった。そう思えたことで、少しだけ気持ちが軽くなりました。

その夜から、私は常連さんの顔と注文を小さなノートに書きとめるようになりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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