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「さっきの分は無料にしてよね」ファミレスで作り直しを要求した女性客。だが、責任者が来たとき、皿の上に残っていたもの

  • 2026.10.23

隣のテーブルで鳴った呼び出しベル

4か月ほど前の平日の昼下がり、1人でファミレスに入ったときのことです。店内はすいていて、私は奥の席で静かにランチをとっていました。

隣のテーブルには、50代くらいの女性客が1人で座っていました。

女性客の前にハンバーグが運ばれてきたのですが、なぜかすぐには食べ始めません。

メニューの写真と実物を何度も見比べ、首をかしげています。

やがて、女性客は呼び出しベルを押しました。

やってきたのは若い女性の店員です。

「ねえ、これ。写真とちょっと違わない?肉汁が少ない気がするんだけど」

女性客はハンバーグを指さしながら、不満そうに言いました。

「申し訳ございません」

店員が頭を下げると、女性客はさらに声を強めました。

「焼き加減が下手だから肉がパサパサしてるのよ」

そして皿のふちを指でたたきながら、こう続けたのです。

「こんなの売り物にならないでしょ。代金なんて払いたくないわ」

「申し訳ございません。厨房に確認してまいりますので……」

「だから、確認じゃなくて作り直してって言ってるの!さっきの分は無料にしてよね」

大きな声に、周囲の客も振り向きました。

店員は困った表情を浮かべながら、もう一度頭を下げて厨房へ向かいました。

もちろん、料理が期待と違って残念に思うことはあるでしょう。

それでも、若い店員に強い口調で要求を重ねる女性客の姿には、見ている私まで落ち着かない気持ちになりました。

責任者が目にした空っぽの皿

店員が厨房へ向かったあとも、女性客は小さな声で文句を言い続けていました。

ところが、ふと見ると、女性客はハンバーグを食べ進めているではありませんか。

先ほどまで「パサパサしている」と不満を口にしていたのに、ナイフとフォークを動かす手は止まりません。

しばらくして、40代くらいの男性の責任者がやってきました。

「お客様、お料理のことでお困りと伺いましたが…」

責任者はそう言いかけて、テーブルの上に目を落としました。

私も思わず、そちらを見ました。

なんと、女性客の皿はすっかり空になっていたのです。

ハンバーグはもちろん、ソースまできれいになくなっていました。

責任者は一瞬だけ皿を見つめ、それから女性客に顔を向けました。

「お口に合わなかったとのことですが、全部お召し上がりになったんですね」

「えっ……いや、それは……」

女性客は言葉に詰まりました。

責任者は声を荒らげることなく、落ち着いた調子で続けます。

「申し訳ありませんが、こちらのお料理のお代はいただきます」

「でも、肉がパサパサだったのよ」

「ご期待に沿えなかったことは申し訳ありません。作り直しは、まだご希望ですか?」

「……もういいわよ」

女性客はそれ以上言い返さず、伝票を手に取りました。

顔を赤くしたまま会計を済ませると、振り返ることなく店を出ていきました。

責任者が空になった皿を下げて厨房へ向かうと、近くにいた若い店員が小さく頭を下げていました。

私はようやくほっとして、自分の皿に残った最後のひと口を食べました。

料理への不満を伝えること自体は、決して悪いことではありません。

ただ、無料にしてほしいと強く要求していた料理を、責任者が来るまでにきれいに食べ終えていたことには、思わず苦笑いしてしまいました。

何より、感情的にならず、最後まで冷静に対応していた責任者の姿が印象に残っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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