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「今日もひとりで」と投稿した俺→それでもクラゲの写真に彼女を残した理由

  • 2026.10.24
ハウコレ

彼女から届いたスクリーンショットを前に、返事の書き出しを打っては消しました。あの1枚を選んだ理由だけは、会ってからも言えないままです。

水族館の名前をタップして開いた一覧に、見慣れた半券が2枚並んでいました。説明文は「彼と水族館。クラゲがきれいだった」。そのすぐ下には、帰りの電車で俺が上げたクラゲの写真がありました。

3年前に冗談半分で書いたプロフィール

転勤でこの街に来て3年になります。知り合いもいない休日に、ひとりで水族館へ通い始めたのがアカウントの始まりでした。プロフィールの「独身。休日はひとりで水族館めぐり」は、そのころ冗談半分で書いたものです。

フォロワーが増えるにつれて、「ひとりで行く勇気が出ました」というメッセージが届くようになりました。同じように休日を過ごす人たちの居場所になっている気がして、彼女と付き合い始めてからも、説明文は「ひとりで」のままにしていました。書き換えるきっかけを、自分で先延ばしにしていただけです。

打ちかけてやめた「今日はふたりで」

その日、クラゲの水槽の前で20枚以上シャッターを切りました。帰りの電車で見返すと、その中の1枚だけ、ガラスに彼女の白いニットと俺のパーカーがうっすら映っていたのです。説明文に「今日はふたりで」と打ちかけて、手を止めました。代わりに入れたのが「今日もひとりで」です。

その写真と彼女の投稿が、同じ一覧に上下で並んでいる。彼女の投稿には「彼と水族館」と書かれていました。このまま誰かに見比べられたら、自分が「ひとりで」と書いていることまで不自然に見える。そう思った瞬間、「SNSで彼氏アピールするな」と送っていました。

「アピールって、チケットの写真だけだよ?」と返ってきて、重ねて送ったのは「彼って書くのやめて」。少しして一覧を開き直すと、彼女の説明文から「彼と」が消えていました。自分で頼んだことなのに、その画面を長く見ていられませんでした。

どう書いても言い訳になる返事

届いたのは、俺の投稿とプロフィールを写したスクリーンショットでした。続けて「これ、私も写ってるよね」「独身って、どういうこと?」。

すぐに開いて、返事を打ち始めました。「あれは冗談で」と打って消し、「フォロワーが」と打って消す。どう書いても、最初の言葉が言い訳になりました。

ようやく送ったのは「ごめん。付き合う前から続けてるアカウントで、言えなかった」。それから「明日、会って話させて」。

返ってきたのは「わかった」だけでした。その短い返事を何度読み返しても、彼女がどう受け取ったのかは画面からは分かりません。

そして...

翌日、駅前のカフェで彼女の向かいに座り、すぐにスマホを出しました。プロフィールを開いて「ここは、もう消すから」と言い、「独身。」を消しました。説明できたのは、付き合う前からの習慣で、フォロワーにどう言えばいいか分からなかったということだけです。

あの1枚を選んだ理由は、言いそびれました。映り込んだ彼女を残したかったと言っても、「今日もひとりで」と書いたことの言い訳に聞こえる気がしたのです。

クラゲの写真の説明文は、まだ「今日もひとりで」のままです。編集の画面を開いては閉じる日が、続いています。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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