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【あなたはどれ?】「税金を払いたくない」「若者や子どもの支援を」6つの政治的価値観 #むちぞん

  • 2026.10.22

世の中の「知らないと損する」話題を、北海道から「ざっくり」深掘りするHBCのWEBトーク番組「むちぞん~無知は損する~」。

情報があふれる現代社会で、「もやもやする話題」や「実は、知らないと損する知識」を、その道の第一人者をお招きしてじっくり聞いていこうという企画です。

第1回は、今、日本の最大多数を占めながらも実態が知られていない「謎の集団・新しいリベラル」に迫ります!

Sitakke

ゲストに『新しいリベラル』(ちくま新書)の著者である北海道大学大学院の橋本努教授をお迎えし、政治思想の基本から「新しいリベラル」の正体まで、ゼロからたっぷり伺いました。

聞き手は、HBC本間吏成(ほんま・りせい)アナウンサーと、報道部の髙橋智也(たかはし・ともや)記者です。

1回目の記事では、「そもそもリベラルって?保守って?」を解説しました。しかし、自分がリベラルだと思っている人も投票傾向は別だったりと、リベラルと保守では分けきれなくなった側面が見えてきたといいます。
2本目の記事では、大規模調査によって新たに浮かび上がった「新しいリベラル」とは何なのかについて深掘りしました。

橋本教授の分析では、保守とリベラルの2つの思想ではなく、6つのグループが浮かび上がってきました。

それぞれの思想がどの政党と結びつくのか?

3本目となる今回は、今の選挙結果がどんな仕組みで現れているのか、そのヒントを探ります。

「リベラルvs保守」だけではない

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本間アナ)政治の思想というと、リベラルと、その対比としての保守というイメージがありますよね。でも先生、政治思想はそれだけではないと伺ったのですが?

橋本教授)そうなんです。これまでの社会調査ですと、「あなたはリベラルですか?保守ですか?」と二者択一で聞くことが多かったため、リベラルは1つ、保守も1つだと思われてきたんですね。

そこで私たちは調査の方法を変えてみました。基本的な質問をいくつかして、回答傾向が似た人たちが何個のグループに分かれるかを分析したんです。一番簡単に言ってしまえば、AIに「こういう意識調査のデータが出ました。回答傾向が似た人たちは何個のグループになりますか?」と聞くような手法(潜在クラス分析)ですね。そうすると「6つのグループに分かれます」という結果が出てきたんです。

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橋本教授)分類としては、こちらの6つになります。意外だったのが、保守かリベラルか分からないような「真ん中(どちらでもない)」の人が一番多いのかなというイメージがあったんですが、回答傾向をまとめると 「どちらでもない」 という真ん中の人たちは、実は非常に少なかったんです。
そしてリベラルも保守も2つに分かれることがわかりました。

  1. 新しいリベラル(23%)
  2. 従来型リベラル(18%)
  3. 成長型中道(13%)
  4. 福祉型保守(16%)
  5. 市場型保守(9%)
  6. 政治的無関心(20%)

保守も2つに分かれる!富裕層の「市場型」と高齢者の「福祉型」

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本間アナ)真ん中に近い「成長型中道」と「新しいリベラル」の違いはどうなんでしょうか?

橋本教授)真ん中の「成長型中道(13%)」は、社会的投資も大切だけれども、経済投資も大切だと考えます。それに対して「新しいリベラル(23%)」は、経済投資よりも社会投資、もっと言うと「現役世代よりも次世代(子どもや若者)に投資してほしい」と考える点が大きな違いです。

「市場型保守(12%)」は小さな政府が良いと思っている保守です。一方の「福祉型保守(16%)」は大きな政府を求めている保守です。どちらも「一番大切なのは経済成長だ」と考える点は共通しています。

本間アナ)福祉型保守。保守の中でも大きな政府を求めるという話ありましたけど、大きい政府を求めてるのはリベラルの考え方ですよね。

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橋本教授)という風に思うじゃないですか。それは定義としては、たまたま大きな政府をリベラルという風に定義してしまったから、そういう考え方になっちゃうんですけれども、実はですね、そうではなかったんですね。
大きな政府を支持するんですけれども、基本的には経済成長が一番大切だっていう風に考えるんですね。高齢者でリタイアされた方など、これまで経済を支えてきて「リタイア後は年金や医療などの福祉を充実させてほしい、自分たちに優しい政府になってほしい」と考える可能性が高いです。

本間アナ)そして「市場型保守(12%)」はちょっとイケイケな感じがしますけれども。

橋本教授)そうですね、経営者や中小企業の社長さん、富裕層の方々など、すでに経済的に成功していて「なるべく税金を払いたくない」と考える層ですね。

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本間アナ)「政治的無関心」も20%と、それなりの規模がありますね。

橋本教授)世間でよく「無党派層」と言われますが、無党派層の中で本当に政治的無関心な人は約20%です。そういう人は投票に行かないですね。それ以外の無党派層の人たちは「自分はバランスの良い社会が良い」と思っていて、毎回どの政党に投票すべきか迷っている状態なんですね。

各グループは、どの政党を支持?

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本間アナ)では、それぞれのグループがどういう投票行動をとっているのか、傾向を見ていきましょう。

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・市場型保守:自民党を強く支持、維新の会を弱く支持
・福祉型保守:自民党を支持、維新の会を弱く支持

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・成長型中道:自民党と立憲民主党、共産党を弱く支持
・新しいリベラル:自民党と維新の会に消極的に投票(ボランティアで身近な社会改善も)

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・従来型リベラル:立憲民主党、共産党を支持(デモや署名活動で意見表明も)
・政治的無関心:自民党に投票

最大多数「新しいリベラル」を取りに行く政党は

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橋本教授)私たちの調査は2022年に行いました。少し歴史を振り返ると、2019年の安倍政権時代に「幼児教育や高校の無償化」が掲げられました。次世代支援に関心が高い新しいリベラルの人たちは「安倍政権は子ども世代に投資してくれるかもしれない」と期待が高まったんです。
また、維新の会も2023年に高校無償化を強力に打ち出していました。その前後のころ、自民党や維新の会に投票する人が多かったんですね。

本間アナ)期待して投票していたんですね。

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橋本教授)ところが、当時の各政党のマニフェストを見ると、どの政党もマニフェストの中に次世代支援とは書いているものの、優先順位が低かったんです。だから新しいリベラルの人たちは「本当に高校無償化を本気でやってくれるのか?」と疑問を持ちながら、迷った末に消極的に投票していた、と私たちは解釈しています。

髙橋記者)例えば国民民主だったりチームみらい、そして、参政党が近年の選挙で躍進したという見方もできると思うのですが、彼らがどういう政治思想に結びついたのかっていうのは先生のこれからの分析になるんですか?

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橋本教授)そうですね。2023年には岸田政権が「異次元の少子化対策」として3.5兆円規模の予算をつけた。そしていわゆる「独身税」がとられるようになりましたね。

予算をつけると言ったんですけれども、具体的に何をするかについては、アイデアがあまりなかったんですね。その後の石破政権になってもっとアイデアがなくなってしまって、予算がついているにも関わらずこれについてほとんど語らなかったんですよ。

それで野党側も「ここを取りに行けば勝てるんじゃないか」と。ただ去年の夏の選挙では、どの政党も次世代支援を掲げていないんですよ。不思議ですね。

その後、私たちの本が出て少ししてから、どの政党もマニフェストのトップ3に次世代支援を入れ始めました。私たちの本を読んだかどうかわからないですけどね。

ただ2月の選挙では、野党各党が次世代支援を取りに行ったんですよね。
今後の選挙では、どの政党が一番重要な政策として本気の支援を提示できるかが、大きな見所になります。

***

次回の記事では、あなたの政治思想を3つの質問を通してチェックします。
実はあなたも、最大多数「新しいリベラル」かも?!

むちぞん~無知は損する~

Sitakke

HBCニュースのYoutubeで動画を公開しています。

HBCアナウンサー・本間吏成

稚内市出身。HBCラジオ「気分上昇ワイド ナルミッツ!!!」パーソナリティ、野球実況、HBCテレビ「キタコイ」を担当。Sitakkeでは「むちぞん~無知は損する~」や「アライマ(アラサーの今、話してみた)」に出演。好き勝手に喋るので、リスナーからは「ナルミッツの毒」と言われる。

HBC報道部・髙橋智也

北海道の政治・社会ニュースを中心に取材を担当。

ゲスト:橋本努(はしもと・つとむ)

北海道大学大学院経済学研究科教授。経済思想・政治思想を専門とし、大規模調査に基づく著書『新しいリベラル~大規模調査から見えてきた「隠れた多数派」』(金澤悠介教授との共著)が話題を集めている。

編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は収録時(2026年5月)の解説・議論に基づきます。

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