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「説明するほど言い訳に聞こえる」選挙戦のジレンマ…前衆議院議員・逢坂誠二さんの懸念【#むちぞん】

  • 2026.10.22

世の中の「知らないと損する」話題を、北海道から「ざっくり」深掘りするHBCのWEBトーク番組「むちぞん~無知は損する~」。

情報があふれる現代社会で、「もやもやする話題」や「実は知らないと損する知識」を、その道の第一人者をお招きしてじっくり聞いていこうという企画です。

第2回のゲストは、前衆議院議員の逢坂誠二(おおさか・せいじ)さんをお迎えしました。

「ズバリ、なぜ負けた?」「解散劇と新党結成の裏側とは?」など、先の衆院選で野党が直面した歴史的敗戦の真相から政治のリアルまで、ゼロからたっぷり伺いました。

聞き手は、HBC本間吏成(ほんま・りせい)アナウンサーと、報道部の藤田忠士(ふじた・ただし)記者です。

これまでの記事は連載「むちぞん」に掲載しています。

「中道」に対する強い拒否感?

藤田記者)実際、中道ができたことによって、逢坂さん自身もやっぱり戦い方は変わりましたか?

逢坂さん)変わったよ。中道の説明から入らなきゃいけないからね。「中道というのは」という説明から入るわけですよね。「中道というのは保守でもなければ、まあ右でもない左でもない、まさにその真ん中なんですよ。そうして中道の意味は人が中心の政治をやるということなんですよ」という説明から入るわけですよ。「今までは人の中心の政治になっていないんですよ」みたいなことを言うので、そうなるとね、やっぱり勢い落ちるんだな。

Sitakke

藤田記者)中道で大部分を取りに行ったにもかかわらず、中道の選挙総括では、こんな結果が出ていました。中道に対する拒否感。それぞれの日本保守の支持層の人たちがどれぐらい拒否感を抱いているか、80%超で、れいわの支持層が約50%で、驚くのが共産党層が50%弱、社民党支持層が55%前後。

逢坂さん)日本保守党は保守なのでね、あんまり好きには思ってもらえないところだと思うのね。でも、れいわにしても社民にしても共産党にしても、どっちかといえば全部は一致できないけれど、政策的にはシンパシーのある部分もあるし、この3つの党はどちらかといえば、野党の中でも野党というか、あまり与党に迎合しない、政府に迎合しない立場の党だよね。だからそういう意味で言うと、こんなに拒否感というか忌避される言われはないはずのところだよね。それが多分、藤田さんも疑問なんだよね。

藤田記者)はい。

逢坂さん)でも、なんでこんなになるかというと、やっぱり原発、憲法、安保法制で中道改革連合が寝返ったんじゃないかっていう風に受け止められたんだよね。だからそこが要するに、自分たちのこれまで言ってきた主張を取り下げてでも公明党と手を組んだのか、という風に見られちゃったわけだよね。

Sitakke

逢坂さん)でも細かく見ればね、憲法も原発も、実は公明党さんと立憲民主党は、そんなに変わっていないの。例えば原発を例にとってみると、公明党さんは「原発に依存しない社会」、立憲民主党は「原発ゼロ社会」と言っているわけね。依存しないということは原発ゼロでしょう。だから原子力政策で言えば一緒なんですよ。
それから立憲民主党も公明党も改正には反対していないのね。どっちも必要があれば憲法を改正するということについては異論のない党だから、憲法という点でも、これは政策は変わっていないの。

説明が難しいのは安保法制でね、立憲民主党は安保法制の違憲部分を改正すると言っているんだけれども、実はよくよく調べると、条文上は違憲部分というのはないのね。だから現在の安保法制の運用状況でいけば、違憲な行為は、今のところ政府はやっていない。

だから公明党も立憲民主党も現在の状態を保つのであれば、これは合憲だと。そこの一点の政策も変わらないんだという理解だったんだけれども、こういう話を選挙の前に一定程度のイメージを刷り込まれて、「安保法制も憲法も原発も政策を変えたんだ」というようなイメージをすり込まれると、それを変えていくのは容易なことではないよね。だから多分、れいわの支持者も社民党の支持者も共産党の支持者の皆さんも、「立憲は基本政策をねじ曲げて公明党と一緒に集まろうとしたんだ、それはけしからん」ということだと私は思うけどな。

「説明するほど言い訳に聞こえる」選挙戦のジレンマ

本間アナ)その原発の話、今ありましたけれど、ゼロと依存しないというのは、逢坂さんとしてはほぼイコールだと。

逢坂さん)ほぼイコールだね。プロセスはちょっと違うかもしれないよ。例えば立憲民主党の綱領には「一日も早く原発ゼロ社会を目指す」と書いてあるし、公明党さんは「依存しない社会を目指す」ということなのでね、ゴールは一緒なんですよ。

本間アナ)なんかこう、そこの言葉だけ聞くと、やっぱり依存しないは何でしょうね、ゼロではないのかなという印象を持ってしまいますけれどね。

Sitakke

逢坂さん)だからそういうニュアンスは、選挙ではなかなか伝わりにくいかもしれないね。

本間アナ)そういった説明も1個1個していかなきゃいけなくて時間かかってしまうと。

逢坂さん)選挙戦が言い訳になっちゃうんだよね。批判的な人からさ、「なんだ本間候補、あんた政策変えてまでこれやるのか、本間候補説明しろ」と言われたら、説明すると選挙戦では、なんか言い訳に聞こえるじゃん。言い訳してるやつに一票なんか入れないって。

本間アナ)確かに印象としても、なんかスパッと主張を言っている方が、説明よりも主張している方が、印象としてはいいみたいなところありますよね。

逢坂さん)そう。……ねえ本間候補、選挙に出ない?(笑)

Sitakke

本間アナ)ちょっとそれは何とも言えないですけど……(笑)

逢坂さん)何とも言えないということは、検討の余地があるということ?!

本間アナ)私はこの仕事が好きでやってるのでね(笑)

大惨敗のその先

藤田記者)私からも見ていて、その場しのぎとか選挙のためにという風に見えないように新党を結成したという、本気なんだぞという風に演出したかったのかなというように見えるんですけれども、それもやっぱり払拭できなかったという感じですか?

Sitakke

逢坂さん)もうそれは全く時間がなかったでしょうね。本来で言えばですね、我々は12月に解散があると思っていたんですよ。昨年の12月に解散をすれば新年度の予算編成にも影響を与えないし、なんとかなるだろうと。

で、12月に解散がないということが明らかになった時点で、じゃあ公明党さんとのいろんな話し合いは、もうちょっと時間を置いてやれるだろうと。それから当然、新年度予算の議論を先送りして国会を解散するなんていうのは、国民生活を考えたらありえないと。だからどんなに早くても、新年度予算が成立した今年の3月だろうと、まあ遅ければ、通常国会をなんとか乗り切って6月だろうと、そういう見通しを持っていたので。そうなったら公明党さんともう少し突っ込んだ話し合いもできるし、政策のすり合わせもできるというのが、まあ少なくとも私の思いでしたですね。

ところが、あの時期に解散することになったんで、それはやっぱり内部も急だし、党内どころか、地方議員の人なんかもう青天の霹靂(へきれき)だと思うよね。で、急いで発車したものだから、参議院の人はとりあえず立憲のままにしておく、地方議員もとりあえず立憲のままにしておく、選挙が終わったら合流する、というある種の目論見を持っていたんだけれども、こんな大敗しちゃうと、その次の展望も今描くのは、なかなかしんどい状況になっていると思うよ。だからその急であるというのは、事実上そうならざるを得ない判断をしてしまったということだよね。

藤田記者)選挙区の方からも指摘されるということでしたけれども、中道に行かずに、無所属で逢坂さん自身が出馬する、そういう選択肢は当時なかったんですか?

Sitakke

逢坂さん)それは、今回の選挙ではありえない。私も幹部の1人として新党を作ることには全く関与していないけれど、公明党さんと連携をするということについては私自身も「悪くない」と思って、党内で皆さんに「公明党とは政策的にこういうすり合わせの仕方があるんじゃないか」という説明をしていた幹部の1人でもあるので。
その幹部の1人が、新党になったから「話が違うから、今回抜けます」という判断は、組織にいるものとしてはできなかったね。

2017年のときは、私は単なる党の役職も何もない、ただの常任幹事会のメンバーであったことは確かだから、それを進める側にいたわけではないので。あのときは解散があって、翌朝には全国で一番早く無所属で出るということを表明したんだよね。そのことが多くの他の人たちも無所属で出るということの引き金になったとは思うけれど、今回はそういう判断をできる人は、結果的に立憲民主党で衆議院で立候補した中で少なかったな。

だから多くの人は、仮にそういう思いがあってもそういう判断すらできないぐらい、すごい急転直下の状況だったということだと思うな。

Sitakke

本間アナ)たらればになっちゃいますけれど、今回この新党結成していなかったら、逢坂さん自身も結果は違ったという風に……?

逢坂さん)私の結果が違ったかどうかは簡単には言えないけれど、選挙全体の結果は、これほどまでにどん底までには落ち込むことはなかったと思いますよ。まさか49なんてことはなかったと思いますよ。だから50とか60とか。

本間アナ)やはり一番そこが敗因というかポイント?

Sitakke

逢坂さん)我々も事前に内部で調査しているわけですよ。そうすると今回の選挙みたいな結果が出るという調査にはなってないのね。電話調査でやると結構いろんな選挙区で、いい結果になっているんですよ。

ところがネット調査になると悪いんですよ。やっぱり、ネットで情報を主に得ている人たちに対する浸透度合いが旧立憲もなかったということなんですよ。そのまま選挙をやっていたほうが、議席はあそこまではいかなかったと思う。

本間アナ)まだよかった?

逢坂さん)まだよかった。選挙協力なら自民党支持者にある程度、恐怖感は与えられたかもしれない。でも新党ではそうならない。

高市総理は、国民生活と国会議論を犠牲にして、あそこで選挙をやったわけですよ。あそこで選挙をやらずに新年度予算や物価議論をしていれば、もっと早く国民の皆さんに政策を提供できたかもしれないし、国会議論も充実したものになったかもしれない。
でも、あの解散をやったことによって、予算委員会の議論も半分ですよね。だから国会議論を犠牲にしたんですよ。

本間アナ)あのタイミングで選挙をやったことで、すべてが変わってしまった?

逢坂さん)そうです。それによって失ったのは、我々の議席だけではないと私は思いますよ。国会が政府を監視する機能が弱まるわけです。

続きは次回の記事でご紹介します。

むちぞん~無知は損する~

Sitakke

HBCニュースのYoutubeで動画を公開しています。

HBCアナウンサー・本間吏成

稚内市出身。HBCラジオ「気分上昇ワイド ナルミッツ!!!」パーソナリティ、野球実況、HBCテレビ「キタコイ」を担当。Sitakkeでは「むちぞん~無知は損する~」や「アライマ(アラサーの今、話してみた)」に出演。好き勝手に喋るので、リスナーからは「ナルミッツの毒」と言われる。

HBC報道部・藤田忠士

北海道の政治・社会ニュースを中心に取材を担当。

ゲスト:逢坂誠二(前衆議院議員)

1959年北海道ニセコ町生まれ。北海道大学薬学部卒業後、ニセコ町役場に入庁。1994年、35歳でニセコ町長に初当選(当時全国最年少)。2005年衆院選で初当選。内閣総理大臣補佐官などを歴任。

編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は収録時(2026年6月)の解説・議論に基づきます。

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