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「トマトはやっぱり、硬いのがいいのよ」売り場のトマトを一つ残らず確かめた女性客。最後に選んだ一つに思わず二度見

  • 2026.10.22
「トマトはやっぱり、硬いのがいいのよ」売り場のトマトを一つ残らず確かめた女性客。最後に選んだ一つに思わず二度見

夕飯の買い物で見かけた、真剣な手つき

昼すぎ、夕飯の買い物をしようとスーパーへ出かけたときのことです。

献立はまだ決めておらず、野菜売り場を見ながら考えるつもりでした。

トマトの売り場に近づくと、一人の女性客が熱心に品定めをしていました。

ばら売りのトマトを一つ手に取り、指先で軽く押して硬さを確かめます。今度は目の高さまで持ち上げ、大きさを確認してから台に戻しました。

そして、すぐ隣のトマトにも手を伸ばします。

「うーん、これはちょっと柔らかいわね」

小さくつぶやきながら、次々とトマトを確かめていきます。

私は思わず足を止めました。

夕飯に使う野菜を選んでいるだけなのに、その表情は驚くほど真剣です。

ただ、指で何度も押しているのを見ると、少し心配にもなりました。

そんなに触ったら、傷んでしまわないだろうか。

そう思いながら見ていると、隣に年配の男性客がやってきました。

男性も女性客の様子が気になったようで、しばらく手元を眺めています。

「ずいぶん念入りですね。全部見るのかな」

「そうみたいですね。なかなか決まらないですね」

小声で答えると、男性はおかしそうに笑いました。

一つ残らず確かめた女性が、最後に選んだのは

女性客の品定めは、まだ続いていました。

一つ取っては戻し、別のものと比べては首をかしげます。

「これも違うなあ。こっちは……うん、悪くないけど」

気づけば、台の端から端まで、一つ残らず確かめていました。

通路の向こうでも、何人かの客が足を止めています。

そして最後のトマトを戻した女性客は、満足そうにうなずきました。

「トマトはやっぱり、硬いのがいいのよ」

どうやら、ようやくお気に入りが決まったようです。

あれだけ時間をかけて選んだのだから、どのトマトを買うのだろう。

私もつい、手元を見つめてしまいました。

すると女性客は、すっと手を伸ばして一つのトマトをかごに入れたのです。

それは、台のいちばん手前にあったトマトでした。

「あれっ?」

思わず二度見してしまいました。

端から端まで確かめて、最後に選んだのが手前の一つ。あまりにあっさりした結末に、少し拍子抜けしてしまったのです。

女性客は満足した様子で、鼻歌まじりに果物売り場へ歩いていきました。

「結局、手前のでしたね」

隣の男性が、ぽつりと言いました。

「そうですね。あんなに奥まで見ていたのに」

「やっぱり、それがいちばんよかったんでしょうね」

男性と顔を見合わせ、二人でくすっと笑ってしまいました。

私は改めて台の手前に目を向けました。あれほど熱心に選んでいた人が手に取った場所だと思うと、なんだか気になります。

結局、私もそこから一つ選んで、そっとかごに入れました。

すると、隣の男性も笑いながら同じ場所に手を伸ばします。

「じゃあ、私もこれにしておこう」

あれだけの品定めを見ていた私たちまで、最後は手前のトマトを選んでしまうとは。

帰り道、思い出すたびに、なんだかおかしくなった出来事でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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