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「場所取り、頼むわよ!」運動会前日にシートを敷いた私。翌朝、そこで眠っていたスーツ姿の男性が突然見せた行動

  • 2026.10.22

妻に頼まれた運動会の場所取り

土曜日の昼、台所に立っていた妻から声をかけられました。翌日の日曜日は、子どもが通う小学校の運動会です。

「場所取り、頼むわよ!」

「えっ、今日?明日の朝じゃだめなのか?」

「朝じゃ遅いわよ。いい場所、なくなっちゃうでしょ」

妻はどうしても前日のうちに場所を確保してほしいようです。私は少し面倒に思いながらも、ブルーシートを抱えて学校へ向かいました。

グラウンドに着くと、すでに多くの保護者がシートを広げていました。

「うわ、もうこんなに来てるのか…」

出遅れたかと思いましたが、運よくゴールの近くに空いている場所を発見。そこにシートを広げ、端に重しを置いて帰宅しました。

「ゴールの目の前だぞ。いい場所が取れたよ」

「本当?やるじゃない!じゃあ明日は先に行っててね」

妻にも喜んでもらえ、私も少し得意な気分でした。

翌朝、シートの真ん中にいた男性

翌朝、妻はお弁当作りで忙しかったため、私がひと足先に学校へ向かいました。

保護者席にはブルーシートがずらりと並んでいます。昨日確保した場所を見つけた私は、思わず足を止めました。

「……えっ? 誰?」

なんと、うちのシートの真ん中で、見知らぬ男性があおむけになって眠っていたのです。

男性はスーツ姿で、ネクタイはゆるみ、脱いだ上着がそばに丸めてありました。

いつからここで寝ているのか、まったく分かりません。

私は男性のそばにしゃがみ、声をかけました。

「あの、すみません。ここ、うちのシートなんですが……」

ところが、男性はまったく反応しません。

「すみません、起きてもらえませんか?」

今度は肩を軽くたたいてみましたが、聞こえてくるのは寝息ばかり。

後ろのシートにいた保護者たちも、何事かとこちらを見ています。

「いやあ、困ったな…」

何度呼びかけても起きず、どうしたものかと困っているうちに、開会式まで終わってしまいました。

「起きませんねえ」

後ろの席のお父さんが、苦笑いしながら声をかけてきます。

私も困った顔で笑い返すしかありませんでした。

ピストルの音で突然起きた出来事

やがて、最初の徒競走が始まろうとしていました。

子どもたちがスタートラインに並び、私もそちらに目を向けた、そのときです。

パンッ!

スタートのピストルが鳴り響きました。

すると次の瞬間、それまで何をしても起きなかった男性が、勢いよく立ち上がったのです。

「うわっ!」

驚いて見上げる私の前で、男性は背筋をぴんと伸ばし、まっすぐ前を向きました。

そして、なぜかびしっと敬礼したのです。

あまりに突然の行動に、私も周囲の保護者も一瞬ぽかんとしてしまいました。

男性はしばらくきょろきょろと辺りを見回し、自分が立っている場所を確かめるような表情を浮かべています。

その様子を見て、近くの保護者たちから笑い声が上がりました。

「た、大変失礼しました!」

男性は顔を真っ赤にして何度も頭を下げると、慌てて上着を抱え、グラウンドを出ていきました。

いったいなぜ敬礼したのかは分かりません。それでも、あの勢いのよさだけは忘れられません。

ちょうど入れ違いに、お弁当を持った妻がやって来ました。

「あ、ここだったのね。ちゃんと座れた?」

「ああ、座れたよ。ただ、ちょっと先客がいてさ……」

「えっ?先客?」

不思議そうに首をかしげる妻。その後ろでは、さっきのお父さんがまだ肩を揺らして笑っていました。

子どもの運動会なのに、あの日の私の記憶には、ゴール前で突然敬礼した男性の姿もしっかり残っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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