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「小さい子が先に滑るくらい別にいいでしょ!」すべり台で列に割り込ませた母親。息子の「ならぶの」に言葉を詰まらせた瞬間

  • 2026.10.21

順番を待つ列の先頭へ向かった母親

秋の休日の午後、私は散歩の途中で近所の大きめの公園に立ち寄り、少し離れたベンチのそばで休んでいました。

公園の奥には、子どもたちに人気の大きなすべり台があります。

その階段の下には、小学生くらいの子どもが10人ほど、一列に並んで順番を待っていました。

そこへ、30代前半くらいの母親が、3歳くらいの男の子の手を引いてやってきました。

母親は列を見てため息をつくと、最後尾には向かわず、階段の先頭へ歩いていきました。

次に階段をのぼろうとしていた子の肩を片手で押しのけ、男の子を前へ出そうとします。

「ほら、空いてるから先に行っちゃいな!」

押しのけられた子が驚いて立ち止まると、その後ろにいた小学生が、おそるおそる声をかけました。

「あの、ぼくたち並んでるんだけど…」

すると母親は、振り返って言いました。

「小さい子が先に滑るくらい別にいいでしょ!」

「ちょっと待つくらい、減るもんじゃないんだから!」

小学生たちは困ったように顔を見合わせました。近くの保護者たちも様子を見ていましたが、誰も口を挟みません。

私も怖くなり、ベンチのそばから動けずにいました。

母親の手を離した男の子が向かった先

そのとき、母親に手を引かれていた男の子が、階段の前でぴたりと足を止めました。

並んでいる小学生たちを見上げ、それから自分の手をそっと母親の手から抜きました。

「ならぶの」

小さな声が、静かになったあたりにかすかに届きました。

男の子はそのまま向きを変え、列に沿ってとことこと歩いていきます。

そして、いちばん後ろの子の後ろに、ちょこんと並んだのです。

並んでいた子どもたちは驚いたように振り返りました。

母親もすぐには動かず、男の子を見つめていました。

「え……ちょっと……」

母親は何か言いかけましたが、それ以上は続きません。

周囲の視線に気づいたのか、顔を赤くしてうつむきました。

やがて母親は列の横を歩き、男の子の後ろに並びました。

先ほどの大きな声は、もう聞こえてきません。

すると、前のほうにいた小学生が振り返って、男の子に手を振りました。

「えらいね。ちゃんと並べるんだね!」

男の子もうれしそうに手を振り返しました。私は、まっすぐ前を向いて順番を待つ小さな背中を見ながら、胸が温かくなりました。

その後ろでは、母親がうつむいたまま立っていました。自分から列の最後へ向かった男の子の姿が、今も印象に残っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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