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「この服、このまま郵便で送ってもらえますか?」レジで男性が広げたトレーナー。だが、店員が思わず聞き返したワケ

  • 2026.10.21

レジの前で取り出された、むき出しのトレーナー

以前、友人と出かけた日の昼のことです。

飲み物を買おうと、荷物の発送も受け付けているお店に立ち寄りました。

私たちはジュースを手に取り、レジの列に並んでいました。

前にいた男性客が会計を終え、次は私たちの番だと思ったときです。

男性はレジから離れず、肩にかけていたかばんの中を探り始めました。

「何か忘れたのかな」

隣の友人が小声でつぶやきます。

すると男性が取り出したのは、袋にも箱にも入っていない、厚手のトレーナーでした。

男性はそれを両手で持ち、店員さんに声をかけました。

「すみません。この服、このまま郵便で送ってもらえますか?」

「えっ…このまま、ですか?」

若い女性の店員さんは、少し戸惑った表情を浮かべました。

「はい。このままで大丈夫です」

男性は当然のことのように答え、トレーナーを胸の前で広げました。

その瞬間、私は思わず目を疑いました。

なんとトレーナーの胸元には、黒い油性ペンで相手の住所と宛名が直接書かれていたのです。

「切手を貼ってくれればいいから」男性の一言に困惑

服に直接、住所を書いたの?

私は驚いて友人の顔を見ました。友人も目を丸くしたまま、トレーナーを見つめています。

店員さんは少し間を置いて、男性に尋ねました。

「あの……こちら、袋には入れなくていいんですか?」

「え?ああ、包まなくていいですよ。ほら、住所も書いてあるし」

男性はトレーナーの胸元を指さしました。

「このまま切手を貼ってくれればいいから」

その言葉を聞いて、ようやく男性の考えが分かった気がしました。

どうやら男性は、はがきと同じように、服にも直接切手を貼れば送れると思っているようなのです。

隣を見ると、友人が口元を押さえて下を向いていました。

私も笑ってはいけないと思うほど、顔が緩みそうになります。

一方、店員さんは落ち着いた声で説明しました。

「すみません。そのままでは送れないんです。袋に入れましょうか?」

「えっ、そうなの?このままじゃダメなんだ」

男性は少し驚いたようでしたが、すぐにうなずきました。

「じゃあ、それでお願いします」

店員さんはトレーナーを丁寧にたたみ、袋に入れてくれました。

男性はその様子をじっと見ています。せっかく書いた宛名が袋の中に隠れてしまい、少し残念そうにも見えました。

その後、発送の手続きを終えた男性は、何事もなかったように店を出ていきました。

ようやく私たちの番になり、ジュースをカウンターに置くと、店員さんと一瞬だけ目が合いました。

「……いらっしゃいませ」

いつもどおりの接客の声でしたが、ほんの少しだけ震えていました。

それを聞いた友人が隣で小さく吹き出し、私もつられて笑いそうになってしまいました。

今でも服の胸元いっぱいに書かれた、あの丁寧な宛名を思い出します。

男性は最後まで真剣だっただけに、余計に忘れられない出来事になりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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