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「おい、見えねえんだよ。座れよ」運動会で私に怒鳴った保護者が、隣の女性から聞かされた「立っていた理由」とは

  • 2026.10.21
「おい、見えねえんだよ。座れよ」運動会で私に怒鳴った保護者が、隣の女性から聞かされた「立っていた理由」とは

ゴールの横でカメラを構えた私に飛んできた声

私は小学校で教員をしています。

秋晴れの運動会の日、担当していたのは徒競走の着順を判定する係でした。

胸には係の名札をつけ、記録用のカメラを手に、ゴールラインのすぐ横で子どもたちを待っていました。

ゴールの横には椅子を置き、レースの合間は座って待機していました。

ただ、子どもたちが走ってくると、立ち上がってゴールを確認しなければなりません。

その場所は保護者席のすぐ前で、私が立つと後ろの席からはゴールが見えにくくなる位置でした。

最初のレースが始まり、子どもたちがゴールに近づいてきたときです。

私が立ち上がってカメラを構えると、突然、背後から怒鳴り声が飛んできました。

「おい、見えねえんだよ。座れよ」

驚きましたが、今は着順を見届けることが最優先です。私は振り返らず、そのまま子どもたちがゴールする瞬間を確認しました。

ところが、次のレースでも同じように立ち上がると、また声が飛んできました。

「おい、聞こえてんのか!こっちは子どもを撮りに来てんだよ!」

先ほどより、明らかに大きな声です。

舌打ちまで聞こえてきました。近くの保護者たちも、何事かと男性のほうを振り返っています。

私も事情を説明したかったのですが、レースの途中で持ち場を離れるわけにはいきません。

ゴールした男の子が、息を切らしながら私を見上げました。

「先生、ぼく何番だった?」

「よく頑張ったな。まずはあの旗のところに並んでてね」

私はそう声をかけ、着順の確認を続けました。

「あの方、審判の先生ですよ」保護者の一言で変わった空気

それでも男性の怒りは収まらなかったようです。

「いいかげんにしろよ!あんた、どこの親だよ!」

身を乗り出すようにして怒鳴った、そのときでした。

男性の近くに座っていた女性の保護者が、振り返って声をかけたのです。

「あの方、審判の先生ですよ」

「えっ……先生?」

男性の声が急に小さくなりました。

「ゴールの着順を見てるんです。立たないと確認できないじゃないですか」

女性がそう説明すると、周囲の保護者たちも小さくうなずいていました。

レースが一区切りついたところで、私はようやく後ろを振り返りました。

そして、胸につけていた係の名札が見えるように体を向け、男性に軽く会釈をしました。

男性は私の胸元に目を向けると、何か言いかけたまま口を閉じました。

「あ…」

それきり言葉は続きません。

男性は帽子のつばをぐっと引き下げ、顔を隠すように深くかぶりました。

周囲の保護者たちも、何も言わずにグラウンドへ向き直ります。

その後、運動会が終わるまで、男性から怒鳴り声が聞こえることはありませんでした。

近くの保護者の何人かは、私に小さく会釈を返してくれました。

まさか自分が保護者と間違えられるとは思いませんでしたが、事情を説明してくれた女性には感謝しています。

少しおかしくなって、思わず口元が緩みました。

そして次のレースが始まると、私は再び立ち上がり、ゴールに向かって懸命に走ってくる子どもたちを見届けました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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