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「君の対応素晴らしいよ」電話サポート中にほめられた私。直後、思わぬ頼み事に戸惑った

  • 2026.10.20

「かしこまりました」の言い方をほめられて

15年ほど前、私はソフトウェアの電話サポートの仕事をしていました。

毎日ヘッドセットをつけ、パソコンの操作に困っているお客さんからの問い合わせに対応していました。

隣の席では、女性の同僚も同じように電話を受けています。

ある日の昼すぎ、年配の男性から電話がかかってきました。

「設定の画面がうまく開かないんだけど、どうしたらいいかな」

私は男性に画面の状態を確認しながら、操作の手順をひとつずつ案内していきました。

しばらくすると、男性がこう尋ねてきました。

「ほかの画面も、ついでに確認してもらえるかな」

「かしこまりました。順番にご案内しますね」

すると、電話の向こうで少し間があきました。

何か気になることでもあったのかと思っていると、男性がしみじみとした声で言いました。

「君の対応素晴らしいよ、かしこまりましたの言い方、すごくいいね」

「えっ、そうですか?ありがとうございます!」

突然のほめ言葉に、思わず背筋が伸びました。

電話サポートの仕事をしていて、声の出し方をほめてもらえることは、そう多くありません。

少し照れくさくもありましたが、素直にうれしく感じました。

お客さんからの思いがけないお願い

ところが、男性の話はそれだけでは終わりませんでした。

「あのね、ちょっとお願いがあるんだけど」

「はい、何でしょうか?」

「このあと、何を言っても返事は『かしこまりました』から始めてもらえるかな。あの言い方、もう少し聞きたいんだよ」

「……えっ?」

思わず聞き返しそうになりました。

冗談なのかと思いましたが、男性の声はいたって真剣です。

少し戸惑いながらも、私はいつもの調子で答えました。

「かしこまりました」

すると男性は、満足そうな声で話を続けました。

そこから、なんとも不思議なやりとりが始まったのです。

「よし、次の画面に進んだよ」

「かしこまりました。では、下の『保存』を押してください」

操作の案内は、まだ普通でした。

ところが男性は、途中から世間話まで始めたのです。

「今日は暑いねえ」

「かしこまりました。暑いですね」

「うちの猫が、キーボードの上で寝ちゃってね」

「かしこまりました。……それは、かわいいですね」

自分でも、何を言っているんだろうと思いました。

それでも男性は楽しそうで、私は笑いをこらえながら返事を続けました。

隣の同僚が笑いをこらえていた理由

ふと隣を見ると、同僚が口元を押さえ、肩を震わせていました。

ヘッドセット越しのお客さんの声は聞こえなくても、私が何度も「かしこまりました」と繰り返しているのは聞こえていたのでしょう。

目が合うと、同僚はますます笑いをこらえるような顔になりました。

その様子を見て、私まで吹き出しそうになります。

けれど、今は仕事中です。笑ってしまわないように気をつけながら、最後まで操作の案内を続けました。

気づけば、そんなやりとりが10分以上も続いていました。

ようやく設定が終わると、男性はうれしそうに言いました。

「いやあ、今日はいい日だった。ありがとう」

「かしこまりました」

最後のお礼にまで、いつもの言葉を返してしまった私。

電話を切ったとたん、隣の同僚がとうとう吹き出しました。

私もそれまでこらえていた笑いが込み上げ、しばらく笑いが止まりませんでした。

それからしばらく、職場で何かを頼まれて「かしこまりました」と返すたびに、どこかの席からくすっと笑い声が聞こえるようになりました。

15年ほどたった今でも、あの男性の真剣なお願いと、隣で笑いをこらえていた同僚の顔を思い出すと、つい笑ってしまいます。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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