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「大きい子がよけてくれればいいでしょ」すべり台を逆にのぼる男の子を放っておいた母親。だが、小学生が優しく声をかけた結果

  • 2026.10.19
「大きい子がよけてくれればいいでしょ」すべり台を逆にのぼる男の子を放っておいた母親。だが、小学生が優しく声をかけた結果

すべり台を下からのぼる男の子

休みの日の昼、娘を連れて公園へ行きました。

すべり台の階段には、子どもたちが順番を待つ列ができています。

ところが、2歳くらいの男の子が、すべる面を下からのぼっていました。まだ小さく、順番を守ることが分からないのかもしれません。

ちょうどそのとき、すべり台の上にいた娘が、すべり出そうとしました。

「ママ、下に誰かいる!」

娘は慌てて動きを止め、こちらを振り返りました。

もしそのまますべっていたら、男の子とぶつかっていたかもしれません。私は思わずひやりとしました。

男の子が斜面を下りると、娘はようやくすべることができました。

ところが男の子は、今度は階段の列の先頭にするりと入り込みました。

並んでいた子どもたちも、困ったように顔を見合わせています。

少し離れたベンチには、男の子の母親らしい女性が座っていました。しかし、携帯電話を見たまま、顔を上げる様子がありません。

私は女性のところへ行き、声をかけました。

「すみません。あの子、下からのぼっていて……。さっき、ぶつかりそうになったんです」

「はいはい、大丈夫ですよ」

女性は画面を見たまま、軽く答えました。

その間にも、男の子はまた斜面を下からのぼり始めています。

「あの、またのぼっているので、少し見ていただけませんか?」

すると女性は、大きくため息をつきました。

「子どもなんだから、そのくらいいいじゃない」

「でも、上からすべってくる子もいるので…」

「大きい子がよけてくれればいいでしょ。いちいち言わないで」

私は返す言葉に困ってしまいました。

男の子に順番を教えた小学生

そのときです。

列に並んでいた小学生の女の子が、すべり台の下へ向かいました。

女の子は、斜面をのぼろうとしている男の子に近づき、そっと手を取りました。

「ねえ、そっちからだと危ないよ。こっちで一緒に並ぼう?」

男の子はきょとんとしていましたが、すぐにうなずきました。

女の子は男の子の手を引いて、階段の列の最後尾へ向かいました。

そして男の子を先に並ばせ、自分もその後ろに並んだのです。

「そうそう、ちゃんと並べたね」

女の子が頭をなでると、男の子はうれしそうに笑いました。

そして、ベンチのほうを振り向いて、大きな声で叫びました。

「ママ、ならぶんだって!」

思いのほか大きな声に、母親はびくっと肩を揺らし、携帯電話から顔を上げました。

砂場のそばにいた親たちも、何事かとこちらを振り向いています。

母親は何か言おうとしたようでしたが、そのまま黙ってしまいました。

さっきまで私には「大きい子がよければいい」と言っていたのに、その大きい子が、小さな男の子に優しく順番を教えてくれたのです。

母親は顔を赤くすると、携帯電話をバッグにしまいました。

そして、ベンチから立ち上がり、すべり台のそばへやってきました。

男の子が並んでいる様子を、今度はきちんと見守っています。ただ、私とは最後まで目を合わせませんでした。

やがて、男の子の番になりました。

「すべるよー!」

男の子は満面の笑みで、すべり台を下りていきました。

その様子を見届けた私は、次の順番を待っていた小学生の女の子に、そっと笑いかけました。

女の子も少し照れたように笑い返し、階段を上がっていきました。

大人同士では気まずくなってしまった場面で、男の子に自然に声をかけてくれた女の子。

誰かを責めるわけでもなく、優しく順番を教えてくれたその姿が、今でも印象に残っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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