1. トップ
  2. エピソード
  3. 「出て行くから、立ち退き料と慰謝料を払いなさい」生活費も払わない同居の伯母。だが、弁護士の説明に黙り込んだ

「出て行くから、立ち退き料と慰謝料を払いなさい」生活費も払わない同居の伯母。だが、弁護士の説明に黙り込んだ

  • 2026.10.19

伯母のために空けた二つの部屋

伯母と一緒に暮らすことになったのは、親戚の本家の長男から「伯母をうちで引き取るように」と言われたことがきっかけでした。

私と夫への相談はなく、断れる雰囲気でもありません。

結局、私たちは同居を受け入れました。

いざ暮らし始めると、伯母は食費も光熱費も電話代も出しません。

それどころか、日当たりのよい部屋を二つ自分の部屋にし、私たちは狭い部屋へ移ることになったのです。

「この部屋、明るくていいわね。あなたたちは奥の部屋で十分でしょう」

毎日の生活費を負担しながら、自分たちの家なのに遠慮して暮らすことが、だんだんつらくなっていきました。

ある晩、夫が思い切って頼みました。

「伯母さん、せめて食費だけでも入れてもらえませんか」

「言われて来てあげたんだから。どうして私が払わなきゃいけないの?」

夫は言葉に詰まり、それ以上は話が進みませんでした。

ある日の昼、私と夫が居間に座っていると、伯母が目の前に立ちました。

腕を組み、強い口調で言います。

「出て行くから、立ち退き料と慰謝料を払いなさい」

突然のことに、私は耳を疑いました。

「えっ、どうして私たちが払うんですか?」

「私がここでどれだけ我慢したと思ってるの。払わないなら、親戚中に言って回るからね」

何に対するお金なのか、私には理解できませんでした。

その後も顔を合わせるたびに同じ話をされ、夫婦だけではどうにもできなくなってしまいました。

弁護士の説明に言葉を失った伯母

そこで、夫と一緒に弁護士へ相談しました。

そして話し合いの日、弁護士にも同席してもらうことになりました。

居間の座卓を挟み、向かいには伯母が座っています。

弁護士は私たちの隣に座りました。

「私が出て行ってあげるんだから、払うのが当然でしょう」

伯母が言い切ると、弁護士は静かに答えました。

「立ち退き料は、住んでいる人に退去をお願いするときなどに話し合われることがあります。ただ、今回はご自身で出ていくとおっしゃっているんですよね」

伯母は黙ったまま、弁護士の顔を見ています。

「出ていくというだけで、ご家族に支払いの義務が生じるわけではありません。慰謝料についても、何をされたことに対する請求なのか、具体的な事情が必要です」

少し間を置いて、弁護士は続けました。

「伺ったお話では、支払わなければならない根拠は見当たりません」

伯母は口を開きかけましたが、言葉が続きません。

膝の上で両手を握り、座卓に目を落としたまま、何も言い返さなくなりました。

数日後、伯母は荷物をまとめ、お金を受け取ることなく家を出ていきました。

空いた日当たりのよい部屋に入り、私は窓を大きく開けました。風が通り抜けるなか、隣に立った夫が小さく笑います。

「やっと、自分の家に帰ってきた気がするな」

その言葉に、私も静かにうなずきました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本記事は読者の体験談をもとに再構成したものであり、すべてのケースに同じ法的判断が当てはまるものではありません。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ