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「いやいや、人のこと言えないじゃん!」友人に500円を催促するつもりだった私。だが、財布の奥から出てきたメモに固まったワケ

  • 2026.10.19
「いやいや、人のこと言えないじゃん!」友人に500円を催促するつもりだった私。だが、財布の奥から出てきたメモに固まったワケ

友人に貸した500円が気になって

ある夜、私は居間のテーブルで財布を整理していました。

たまったレシートを取り出し、カードを並べ直していきます。

翌朝は友人とカフェで会う約束がありました。出かける前に財布をすっきりさせておこうと思ったのです。

ところが、手を動かしながらも、頭の中は別のことでいっぱいでした。

少し前、友人と出かけた帰りのことです。小銭が足りなくなった友人に、500円を貸していました。

「ごめん、ちょっと貸してくれる?」

「いいよいいよ、気にしないで」

そのときは、次に会ったときにでも返してくれるだろうと思っていました。

けれど、しばらくたっても500円は返ってきません。友人はいつもどおり楽しそうに話していて、お金のことには一度も触れませんでした。

きっと忘れているのでしょう。

500円とはいえ、貸したお金です。

返してほしい気持ちはあります。

でも、わざわざ催促したら、細かい人だと思われるかもしれません。

明日こそ言おう。

そう決めた私は、レシートを片づけながら、小さな声で練習を始めました。

「この前の500円、そろそろ返して」

口にしてみると、なんだか責めているように聞こえます。

「うーん、ちょっときついかな……」

今度は、もう少しやわらかく言ってみました。

「そういえばさ、あのときの小銭のことなんだけど」

これでは遠回しすぎる気もします。

そもそも、私がここまで気をつかう必要があるのでしょうか。

結局、最初の言い方で伝えようと決めました。

財布の奥から出てきた小さなメモ

レシートとカードを片づけ終え、最後に財布の小さなポケットを確認しました。

すると、指先にかさりと紙が触れたのです。

取り出してみると、小さく折りたたまれたメモでした。

「あれ、何だっけ、これ…」

不思議に思いながら開くと、見覚えのある自分の字で、こう書いてありました。

「1000円借りた」

「……あっ!」

私はメモを握ったまま、思わず固まってしまいました。

500円を貸した日とは別に、私が財布を家に忘れてしまったことがあったのです。

その日、友人に1000円を借りていました。

帰宅してすぐ、返し忘れないようにとメモを書いて財布にしまったのですが……。

そのまま、すっかり忘れていたのです。

友人が500円を返してくれないことばかり気にしていたのに、私も1000円を返していませんでした。

しかも、借りた金額は私のほうが多いのです。

「いやいや、人のこと言えないじゃん!」

さっきまで真剣に催促の練習をしていた自分が急に恥ずかしくなり、ひとりで笑ってしまいました。

翌朝、カフェで友人の向かいに座ると、私はさっそく財布から1000円札を取り出しました。

「ごめん!これ、ずっと返してなかった」

友人は差し出されたお札を見て、きょとんとしています。

「え、何のお金?」

「ほら、私が財布を忘れた日の。1000円借りたでしょ?」

友人は少し考えてから、声を立てて笑いました。

「ああ!そんなこともあったね。私も忘れてた!」

その笑顔を見たら、昨夜あれほど考えていた500円の催促が、急に気恥ずかしくなってしまいました。

結局、500円のことは言わずにおきました。

自分だって、メモを見つけなければ借りたことを思い出せなかったのです。

昨夜、何度も練習した「そろそろ返して」という一言。

それを口にすることなく、私は温かいコーヒーを飲みながら、友人との会話を楽しんだのでした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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