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「見て分かるでしょ、仕事中なんだけど」朝食を終えても席を立たない男性。だが、女性スタッフが告げた一言

  • 2026.10.18
「見て分かるでしょ、仕事中なんだけど」朝食を終えても席を立たない男性。だが、女性スタッフが告げた一言

予約した時間なのに進まない朝食の列

旅行で泊まったホテルの朝食会場での出来事です。そのホテルでは朝食時の混雑を避けるため、前日に利用時間を予約する決まりになっていました。

翌朝、私も予約した時間に会場へ向かいました。

ところが入口には、席が空くのを待つお客さんの列ができていたのです。

列の中ほどに並び、会場をのぞくと、窓際のテーブル席にスーツ姿の中年男性が座っていました。

男性の前にはノートパソコンが広げられ、食べ終わったお皿が端に寄せられています。

食事はすでに終わっているようでしたが、男性はキーボードをたたき続けていました。

入口ではスタッフさんが、並んでいるお客さんに頭を下げています。

「申し訳ございません。お席が空き次第、順番にご案内いたします」

それでも、列はなかなか進みません。

私の前に並んでいた年配のご夫婦も、困ったように顔を見合わせていました。

「まだかしらねえ…」

そんなとき、パソコンを広げている男性の隣のテーブルから、食事を終えた女性が立ち上がりました。

女性は男性のほうへ身を寄せ、何か声をかけたようです。

その言葉までは聞き取れませんでしたが、男性の返事は入口のほうまで届きました。

「仕事してるんだから、気にしないで」

男性はパソコンから目を離そうともせず、そのまま作業を続けています。

女性は困ったような顔をして、会場を出ていきました。

仕事が大切なのは分かります。でも、ここは朝食会場です。予約した時間に来た人たちが席を待っているのに、食事を終えても使い続けるのはどうなのだろう…。

私は男性のテーブルを見ながら、そんなことを考えていました。

パソコンを広げる男性にスタッフが伝えたこと

しばらくして列が進み始めました。

その時、制服姿の若い女性スタッフさんが、男性のテーブルへ向かいました。

テーブルの横に立つと、軽く頭を下げて声をかけます。

「お客様、恐れ入ります」

男性はようやく顔を上げました。

「何?見て分かるでしょ、仕事中なんだけど」

少し面倒くさそうな口調でしたが、スタッフさんは落ち着いた様子で続けました。

「申し訳ございません。こちらのお時間は、そろそろ終了となります。次のお時間のお客様がお待ちですので…」

そして、男性のパソコンに目を向けて付け加えました。

「お仕事でしたら、ラウンジに電源のあるお席がございます。そちらをご利用いただけますか」

男性は何か言いかけましたが、すぐには言葉が出てこない様子でした。

そのやり取りを見ていた前のご夫婦の奥さんが、小さな声でつぶやきます。

「お仕事なら、最初からラウンジに行けばいいのにねえ」

私も思わず、心の中でうなずいてしまいました。

男性はスタッフさんに何も言い返さず、パソコンを閉じました。そして荷物をまとめると、うつむき加減で会場を出ていったのです。

スタッフさんはすぐに男性が使っていたテーブルを片づけ、待っていたお客さんを順番に案内し始めました。

やがて私の番になり、案内されたのは、先ほど男性が座っていた窓際の席でした。

「大変お待たせいたしました。こちらへどうぞ」

「ありがとうございます」

ようやく席に着くと、窓から朝の光が差し込んでいました。

仕事をすること自体が悪いわけではありません。ただ、その場所を必要としている人がほかにもいることは、忘れないでほしいと思った朝でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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