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同期の彼氏に会ってから、ランチの誘いを断り続けた私の本音

  • 2026.10.19
ハウコレ

「今度、彼女のご両親にもご挨拶に行く予定なんです」。彼が何げなく口にした予定を聞いてから、同期の顔をまっすぐ見られなくなりました。

グラスの中で溶けていく氷を、ストローで何度も回していました。向かいの席には、同期の友人と、紹介されたばかりの彼。思い描いていた相手とは、何もかもが違っていました。

先を越されるはずのなかった相手

同期の友人のことは、好きでした。一緒にいて気をつかわないし、話を否定されることもありません。ただ、地味な服ばかり選ぶ友人の隣にいると、自分が少しだけ華やかに見える気がしていました。恋人がいないと聞いてからは、ランチのたびに同じことを言いました。

「彼氏できたら紹介してね」

その日はまだ当分来ないと、どこかで決めつけていたから言えた言葉です。恋人を作るのも結婚するのも、私のほうが先。そう思って疑いませんでした。

紹介したい人がいると連絡が来たときは、悔しい気持ちがありながらも喜ぶスタンプを続けて送りました。すぐに別れると思ったからです。どうせあまりパッとしない人が来るんだろうなと思いました。

彼が口にした予定

向かいに座った彼は、軽く頭を下げました。

「はじめまして」

「はじめまして」と返して、紙袋を膝の上で抱え直しました。

注文のとき、彼は友人の分まで、迷わずカフェラテを頼みました。仕事の話を振ると、肩書きをひけらかすこともなく、こちらが分かる言葉で答えてくれました。気の回し方も話し方も、私がアプリで会ってきた誰より落ち着いていました。

彼が、近いうちに彼女のご両親へ挨拶に行く予定だと話しました。

私には、まだ親に紹介できるような相手すらいませんでした。そこから先の会話は、ほとんど上の空。30分ほどたった頃、スマホを確認するふりをして立ち上がり、用事があると言って紙袋を友人の前に置きました。

笑える自信がなかった

お菓子のお礼のメッセージには、短い返事しか送れませんでした。おいしかったと笑う2人を想像すると、画面をすぐに閉じてしまうのです。ランチに誘われるたび、仕事を理由に断りました。

友人に非がないことは、分かっていました。それなのに、顔を見るたび、あのカフェラテと挨拶の予定が頭に浮かびました。休憩中マグカップを手にしたまま行ってしまったのは、その場で笑える自信がなかったからです。

そして...

エレベーターホールで2人きりになったとき、友人が口を開きました。

「私、何かしちゃった?」

階数表示から目を離せないまま、少し間を置いて答えました。

「違うの。少しだけ時間ちょうだい」

到着したエレベーターには乗らず、階段へ向かいました。時間があれば、何が変わるのか。下に見ていた相手に先を越されて悔しいと、自分の中で認めるまでの時間だったのかもしれません。

デスクに戻ってメッセージを開き、「おめでとう」と打ちましたが、結局、送信ボタンは押さないまま画面を閉じました。

(20代女性・営業事務)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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