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彼に送るはずの自慢を、本人に誤送信した私→答えられないまま、同期は仕事に打ち込んでいった

  • 2026.10.19
ハウコレ

写真の本人から届いた問いかけに、私は打っては消すばかりでした。会社では普通に挨拶してくれる同期が、ランチの誘いだけは断るようになっていきました。

「あのグレーの服の子よりかわいいね」。ほかの部署の先輩がそう言ったのは、飲み会が盛り上がってきた時でした。この場でグレーのニットを着ていたのは、入社以来ずっと仲のいい同期です。その場では照れ笑いでごまかしたものの、帰り道まで顔がゆるみっぱなしでした。

グレーの服の同期

その飲み会は、ほかの部署も集まる大人数の席でした。同期とは一緒に参加したものの、話していたのは別々のグループです。先輩の言葉を、同期は聞いていませんでした。

その同期は、私がずっとかわいいと思ってきた人でした。服の選び方も、笑ったときの目元も。その同期より、と言われたことが、自分の中で特別な褒め言葉に変わっていました。

送り先を間違えた一言

翌日、彼に話したくてたまらず、写真を添えて打ち込みました。チャットの一覧の一番上を、いつものように彼だと思って押したのです。

「このグレーの服の人よりかわいいって言われた!」

送ってから気づきました。一番上にあったのは、少し前に同期から届いた「昨日はおつかれさま」のチャットでした。

取り消す前に既読がつき、返事が届きました。

「そのグレーの服の人って私だよね?」

写真に写っている本人に、その本人と比べた自慢を送ってしまった。そこで初めて、あの言葉が同期を下に置いたうえでの褒め言葉だったことに思い当たりました。

打っては消した返事

「違うの、比べたかったわけじゃなくて」と打って、消しました。「先輩が勝手に言っただけ」も消しました。どちらも、喜んで送った自分をなかったことにする言い訳にしか見えませんでした。結局、何も送れないまま休みが終わりました。

次に出社すると、私から「おはよう」と声をかけました。同期はいつもどおりの調子で「おはよう」と返してくれました。写真の話は出ないまま。ほっとしたのは、最初の数日だけでした。

ランチに誘っても、仕事を理由に断られることが増えていきました。会議で新しい案件の担当を募られると、真っ先に手を挙げるのは同期です。資料を抱えて会議室を行き来する背中を、私は自分の席から見ていました。

そして...

半年ほどで、同期の中で最初に昇進したのは彼女でした。

辞令が出た日、迷った末に送りました。

「昇進おめでとう」

返ってきたのは「ありがとう」だけ。そのすぐ上には、半年前の問いかけが答えのないまま残っていました。今さら答えるには遅すぎる気がして、画面を閉じました。

次のランチの誘いは、その後も送れずにいました。

(20代女性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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