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「お金が少し足りないんだよね」高校時代のおごりを思い出してほしかった私が、友人のメモ帳を見て言葉を失った理由

  • 2026.10.17

高校のころの「あとでおごる」という約束

高校時代からの友人とは、大学生になった今もほとんど毎日一緒に過ごしています。

授業の合間も帰り道も、気づけば隣にいるような仲です。

ただ、ひとつだけ、ずっと気になっていることがありました。

高校生のころ、友人はよくお金が足りなくなりました。

昼休みにパンを買うときや、カフェでコーヒーを頼むとき、財布を見て困った顔をするのです。

「ごめん、今日ちょっと足りなくて。あとでちゃんとおごるから」

そう言われると、私は「いいよ」と代わりに払っていました。親しい友人ですし、すぐに返してほしいとも思っていませんでした。

ところが、大学生になってから友人におごってもらった記憶がありません。

私が昼食を買うか迷っているときも、友人は自分の分だけ会計を済ませて、先に店を出てしまいます。

「あの約束、もう忘れちゃったのかな…」

気にはなるのに、今さら自分から切り出すのも気まずく感じていました。

ある日の昼、大学近くのコンビニで、私は飲み物を手に友人に言いました。

「お金が少し足りないんだよね」

「そうなの?」

友人は首をかしげたあと、いつもどおり自分の飲み物だけをレジに持っていきました。

私は手に取っていたパンを棚に戻しました。

本当は「高校のときの約束、覚えてる?」と聞けばよかったのです。でも、その場では言い出せず、勝手にがっかりしていました。

友人が取り出した、古いメモ帳

その日の授業が終わり、二人でカフェに入ったとき、私はようやく口を開きました。

「ねえ、高校のとき、あとでおごるって言ってたの覚えてる?」

「うん、覚えてるよ。ちょっと待って」

友人はかばんから小さなメモ帳を出しました。

表紙の角がすり切れた、高校時代から見覚えのあるものでした。

開いたページには、高校のころの日付と、どちらが何をおごったかが細かく書かれていました。

私が友人に出した分も、確かに載っています。

ところが、読み進めるうちに目が止まりました。

友人が私におごってくれた記録のほうが、ずっと多かったのです。

「えっ、これ、全部私に?」

「そうだよ。財布忘れた日とか、部活のあとの肉まんとか。覚えてない?」

言われると、思い当たる場面が次々に浮かびました。

私は自分が払ったことばかり覚えていて、友人に払ってもらったことは、すっかり忘れていたのです。

メモ帳を見つめたまま、しばらく固まってしまいました。

「だから、もうおあいこだと思ってたんだけど」

友人が笑って言いました。

恥ずかしさとおかしさが一緒に込み上げ、私は思わず吹き出しました。隣の席の人が振り向き、慌てて口を押さえます。

「ごめん。今日のここは私が払うよ」

「やった。じゃあ、書いておくね」

友人はペンを取り出し、メモ帳の一番下に新しい行を書き足しました。

私はその手元を見ながら、今度は忘れないようにしようと思いました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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