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「空いてるんだからいいだろ」発表会の優先席を譲らず撮影を続けた男性が、わが子の出番で立ちつくした理由

  • 2026.10.17
「空いてるんだからいいだろ」発表会の優先席を譲らず撮影を続けた男性が、わが子の出番で立ちつくした理由

最前列から動こうとしない男性

娘の小学校の学習発表会でのことです。私は体育館の後方にある立ち見スペースから、舞台を見ていました。

最前列は、そのとき発表している学年の保護者が優先的に座れる席です。学年が入れ替わるたびに、席を交代する決まりになっていました。

ところが、開演直後から最前列の真ん中に座っていた男性は、学年が変わっても動きません。

次の演目が始まると、男性は立ち上がって大きなカメラを舞台に向けました。

すぐ後ろの席にいた母親は、男性の体で舞台が見えにくいのか、何度も体を傾けています。

すると男性が振り返り、何か注意するように声をかけました。母親は困った様子で体を戻します。

その様子に気づいたのか、腕章をつけたPTA役員の女性が男性のところへ向かいました。

女性は腰をかがめ、男性に席の交代をお願いしているようでした。

しかし、男性はカメラを構えたまま、なかなか応じません。

そして突然、男性の大きな声が響きました。

「空いてるんだからいいだろ!」

その声には、私も思わず驚きました。

実際には、優先席に座りたい保護者が待っています。それなのに、男性は席を譲ろうとしません。

役員の女性はそれ以上説得できなかったようで、その場を離れました。

結局、最前列で見るはずだった保護者たちは、私の近くの立ち見スペースで発表を見ることになりました。

男性は周囲の様子を気にすることもなく、撮影を続けていました。

わが子の出番で起きた思わぬ出来事

しばらくして、司会の先生が次の学年の発表を告げました。

すると男性は急に姿勢を正し、カメラを構え直しました。どうやら今度は、男性の子どもが出る学年のようです。

ところが、子どもたちが発表を始めた直後のことでした。

男性が突然、カメラを顔から離したのです。

画面をのぞき込み、何度も操作しています。

それでも撮影できないのか、慌てた様子でかばんの中を探し始めました。

しかし、男性が再びカメラを構えることはありませんでした。

朝から撮影を続けていたので、電池が切れてしまったのかもしれません。

周囲の保護者たちがわが子の姿を撮影する中、男性は動かなくなったカメラを手に、舞台を見つめていました。

そのとき、私の隣にいた、優先席に座れなかった母親がぽつりと言いました。

「よその子は、あんなに撮ってたのにね……」

私は何も言えず、男性のほうを見てしまいました。

やがて発表が終わると、先ほどのPTA役員の女性が再び男性のところへやって来ました。

次の学年の保護者と交代するよう声をかけられた男性は、今度は言い返しませんでした。

カメラを抱えたまま、静かに席を立ちます。

次はいよいよ娘の学年です。

私は空いた最前列に座り、娘が胸を張ってせりふを言う姿を、最後の一礼まで撮り続けました。

あの男性が、わが子の発表を撮れなかったことをどう感じたのかは分かりません。

ただ、ほかの保護者にも同じように、大切なわが子の出番があったことには気づいてほしかったと思います。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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