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「残してもいいから次行こう」朝食バイキングで山盛りの料理を残そうとした母親。だが、息子が大きな声で言った一言

  • 2026.10.17
「残してもいいから次行こう」朝食バイキングで山盛りの料理を残そうとした母親。だが、息子が大きな声で言った一言

隣のテーブルに運ばれてくる山盛りの料理

去年の秋、妻と温泉旅行に出かけ、大きな旅館に泊まったときのことです。

朝食はバイキング形式で、私たちの隣には、小学生くらいの子どもたちを連れた家族が座っていました。

気になったのは、その家族の父親の行動でした。

席に荷物を置くと、すぐに料理を取りに行き、海鮮やローストビーフを山盛りにした皿を運んできたのです。

それだけではありません。何度も料理のコーナーへ往復し、テーブルには次々と皿が並んでいきました。

海鮮コーナーには長い列ができていましたが、父親は気にする様子もありません。

「ねえ、あんなに食べられるのかな…」

妻が私に小声で話しかけてきました。

隣を見ると、子どもたちも目の前の料理を見て戸惑っているようでした。

「えー、こんなに食べられないよ」

すると母親は、笑いながら答えました。

「いいのよ。食べ放題なんだから。好きなものだけ食べれば」

子どもたちは困ったような顔をしながら、料理に箸をつけていました。

ところが、母親は刺身を何切れか食べただけで箸を置き、上着を手に取りました。

「ほら、そろそろ行くよ。準備して」

「えっ、でも、まだいっぱい残ってるよ」

子どもが皿を見ながら言うと、母親は軽く手を振りました。

「残してもいいから次行こう」

父親も何も言わずに席を立ちました。

テーブルには、ほとんど手をつけていない料理が山のように残っています。

私は思わず妻と顔を見合わせました。

母親を座り直させた、男の子の一言

母親が椅子を引き、テーブルを離れようとしたときです。

一緒に席を立とうとしていた男の子が、山盛りの皿を指さしました。

「えっ、これ全部残すの?お店の人が困るよ!」

思いがけず大きな声だったため、近くの席にいた人たちも振り向きました。

男の子はさらに続けました。

「給食でも、残さないようにって先生が言ってたよ!」

母親は驚いたように男の子を見ました。

「ちょっと、そんな大きな声で…」

そう言いかけたものの、テーブルに残った料理を見ると、言葉が止まってしまいました。

周囲の視線にも気づいたのか、母親は顔を赤くして、引いたばかりの椅子に座り直しました。

父親も少し気まずそうな表情で、再び腰を下ろしました。

それから家族は、残っていた料理を少しずつ食べ始めました。

母親も黙ってローストビーフを口に運んでいます。

さっきまで帰ろうとしていたのに、今度は誰も急かしません。

男の子は自分の皿に向き直り、最後のひと切れまできれいに食べきりました。

通りかかった従業員の女性が空になった皿に目をとめ、男の子にそっと笑いかけていました。

「えらいわね、あの子」

妻が小さな声で言いました。

私も思わずうなずきました。

大人が何も言えずにいたことを、子どもが素直に口にした朝でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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