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「え?名前?」とんかつ屋で長時間待っていた男性客。後から来た客が先に呼ばれていた理由を知って赤面した瞬間

  • 2026.10.16

とんかつ屋の入口で待ち続ける男性

昼どきに、とんかつ屋へ食事に行ったときのことです。店内はとても混み合っていて、入口の外にも何人もの客が立っていました。

入口横の台には、順番待ちの記入用紙とペンが置いてあります。

私も名前を書き、ほかの客たちと一緒に呼ばれるのを待つことにしました。

その中に、私より前から待っていたらしい中年の男性がいました。

男性は何度も腕時計を見ては、店の入口に視線を向けています。あとから来た客が名前を呼ばれて入っていくたびに、大きなため息をついていました。

しばらくして、若い女性の店員が入口から出てくると、男性はすぐに呼び止めました。

「いつまで待たせるんだ」

「申し訳ありません。ただいま店内が混み合っておりまして……」

「それは見れば分かるよ。あとどれくらいかかるんだ?」

「順番にお呼びしていますので、もう少しお待ちいただけますか」

「いや、こっちはずっと前から待ってるんだよ。あとから来た人が先に入ってるじゃないか」

店員が説明しても、男性は納得しません。

「厨房が遅いのか、案内が悪いのか、どっちなんだよ」

次第に声が大きくなり、店員も困った表情を浮かべていました。

周りの客たちは気まずそうに黙っています。私も、せっかく食事に来たのに、落ち着かない気持ちになっていました。

店員が確認した順番待ちの用紙

すると店員は、入口横の台に置かれた記入用紙へ目を向けました。

書かれた名前をひと通り確認すると、男性に尋ねました。

「恐れ入ります。お客様、お名前はもう書いていただいていますか?」

「……え?名前?」

それまで勢いよく話していた男性が、ぴたりと口を閉じました。

「はい。こちらにお名前を書いていただいた順に、ご案内しているんです」

男性は台の上の用紙をじっと見つめています。

どうやら、名前を書くことに気づかず、ずっと呼ばれるのを待っていたようです。

男性がいくら長く待っていても、用紙に名前がなければ店員には順番が分かりません。

周りの客たちの視線が男性に集まりました。誰かが小さく咳払いをし、後ろのほうからは笑いをこらえるような声も聞こえました。

男性は顔を赤くしながら、黙ってペンを手に取りました。そして、用紙のいちばん下に自分の名前を書き込みました。

先ほどまでの勢いは、すっかりなくなっていました。

そのすぐあと、店員が私の名前を呼びました。

「お待たせいたしました。どうぞ中へ」

私は、ペンを握ったままうつむく男性の横を通り、のれんをくぐりました。

店の奥からは、とんかつを揚げる音が聞こえてきます。

あれだけ店員を責めていた男性が、最後には何も言えなくなってしまったことが、なんとも印象に残っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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