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「大人で決めたことだからな」お年玉が突然なくなった正月。理由を知らずに育った私が、母から聞いた真相

  • 2026.10.16

正月の親戚の集まりで、突然決まったこと

小学生のころ、正月になると父方の親戚が祖父母の家に集まっていました。

和室には大人たちが座卓を囲んで座り、私たち子どもは、いつお年玉をもらえるのかとそわそわしていました。

ところが、ある年の正月はいつもと様子が違いました。

待っていても、誰もポチ袋を出してくれません。それどころか、大人たちは何やら真剣な顔で話し込んでいました。

しばらくすると、父の兄である伯父が口を開きました。

「お年玉は廃止しよう!」

周りの大人たちも顔を見合わせ、うなずいています。

私は耳を疑いました。

(えっ、お年玉がなくなるの?)

楽しみにしていたものが突然なくなると知り、ひどくがっかりしたのを覚えています。

帰りの車の中で、私は父に聞きました。

「ねえ、どうしてお年玉なくなっちゃったの?」

「大人で決めたことだからな」

「えー、なんで?楽しみにしてたのに…」

それでも父は詳しい理由を教えてくれませんでした。

それからしばらく、父方の親戚からお年玉をもらうことはなくなりました。

一方、母方の親戚は変わらずお年玉をくれました。

正月にはごちそうを用意してくれて、誕生日にはプレゼントも届きます。

そんな違いを見て、子どもだった私は勝手に結論を出してしまいました。

「父方のみんなは、子どもが嫌いになったんだよ」

母方の祖母の家でそう話すと、母は困ったように笑うだけ。

私はその反応を見て、ますます自分の考えが正しいと思い込んでいました。

大人になって母から聞いた、まさかの事情

それから年月がたち、私も大人になりました。

年末に実家へ帰ったある夜、台所で母とお茶を飲みながら、昔の正月の話になりました。

私はふと思い出して、母に言いました。

「そういえばさ、父方の親戚って、あのころ急に冷たくなったよね」

すると母は、驚いたように笑い出しました。

「ちょっと、まだそんなふうに思ってたの?」

「だって、急にお年玉がなくなったじゃない。子どものころ、すごくショックだったんだから」

母は笑いすぎて目じりの涙をぬぐうと、ようやく事情を話してくれました。

「あのころね、父方の親戚のあいだでお金の貸し借りがあったのよ」

「えっ、お金の貸し借り?」

「そう。それで、お年玉にまでお金を回せる状況じゃなかったの。だから、みんなでやめようってことになったのよ」

私は思わず母の顔を見ました。

「そんなの、全然知らなかった…」

「そりゃそうよ。子どもに話すようなことじゃないもの」

そこで母は、もうひとつ私に尋ねました。

「そういえば、お年玉がまたもらえるようになった年、覚えてる?」

言われてみれば、そんな正月もありました。

伯父が少し照れくさそうにポチ袋を渡してくれたときのことです。

当時の私は、ようやく親戚の機嫌が直ったのだと思っていました。

「あれね、貸し借りしていたお金が全部返って、そのあとの正月だったのよ」

「ええっ!そういうことだったの?」

思わず苦笑いしてしまいました。

親戚が急に冷たくなったわけでも、子どもを嫌いになったわけでもありません。

大人たちには大人たちなりのお金の事情があったのです。

「私、伯父さんたちのこと、ずっと誤解してたんだね。悪いこと言っちゃったな」

「まあ、子どもには分からないわよ。大人にもいろいろあるの」

母はそう言って、またお茶をすすりました。

子どものころは、ただ冷たい決まりだと思っていたお年玉の廃止。

大人になって初めて、その裏にあった事情を知ったのでした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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