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「子どもには好きにさせてやりたいんですよ」ホテルの朝食で子どもの行動を笑って見ていた父親。だが、スタッフが伝えたマナーとは

  • 2026.10.16

パンを素手で触る男の子

妻と子どもを連れて、家族旅行に出かけたときのことです。

宿泊したホテルの朝食はバイキング形式でした。

席に着くと、子どもが「丸いパンが食べたい」と言ったので、妻に子どもを任せ、私はパンのコーナーへ向かいました。

パンの前には数人が並んでいて、私のすぐ前には小さな男の子と、その父親がいました。

「好きなものを好きなだけ取っていいよ」

父親が笑顔で声をかけると、男の子はうれしそうにパンを選び始めました。

ところが、その様子を見て私は驚きました。

男の子はトングを使わず、パンを素手でつかんだのです。しばらく眺めたあと、元のかごに戻し、今度は隣のパンに手を伸ばしました。

父親はすぐそばで見ていましたが、注意する様子はありません。

「ああ、それは違うか。じゃあ、次は?」

むしろ楽しそうに笑っています。

私の後ろに並んでいた年配の女性が、小さくため息をつきました。

その声に気づいたのか、父親がこちらを振り返りました。

「せっかくの旅行なんですから。子どもには好きにさせてやりたいんですよ」

そう言うと、また男の子のほうを向きました。

好きなパンを選ばせたい気持ちは分かります。

ただ、一度手で触れたパンを戻すのは困ります。

ほかの客も戸惑っているようで、パンを取らずに別の料理へ向かう人もいました。

私も子どもが食べたがっていた丸いパンを取りたいのですが、どれに触れたのか分からず、手を伸ばせませんでした。

スタッフが差し出したトング

そのとき、若い女性スタッフが、焼きたてのパンを入れた新しいかごを持ってやってきました。

ちょうど男の子がパンを手でつかみ、元に戻したところでした。

それを見たスタッフは、男の子が触っていたパンのかごを下げ、新しいかごに取り替えました。

「あれ、まだ選んでる途中なんだけどな」

父親が少し不満そうに言いました。

するとスタッフは、トングを手に取り、父親の前に差し出しました。

「お客様、パンはトングでお願いいたします」

落ち着いた声でしたが、はっきりとした注意でした。

父親は何か言いかけたものの、言葉が出てこない様子でした。

すると、男の子が父親の服の裾を引っぱりました。

「パパ、手で触っちゃいけないんだって」

父親は男の子を見下ろし、少し気まずそうな顔になりました。耳まで赤くなっています。

「……うん、そうだな」

小さくそう答えると、スタッフからトングを受け取りました。そしてパンを慌ただしく取ると、男の子の手を引いて足早にその場を離れました。

私はいったん席に戻り、待っていた子どもを連れてパンのコーナーへ向かいました。

新しく並んだパンの前で、子どもにトングを持たせ、その手に自分の手を添えます。

「トングで取るんだよね」

子どもが私を見上げました。

「そうだよ。上手に取れたな」

うれしそうに丸いパンを選ぶ子どもを見ながら、好きなものを自由に選ばせることと、マナーを教えることは、どちらも大切なのだと感じました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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