1. トップ
  2. エピソード
  3. 「は?アイスも金取るの?」飲食店で無料サービスを要求する常連客。だが、困り果てたアルバイトを救った店長の一言

「は?アイスも金取るの?」飲食店で無料サービスを要求する常連客。だが、困り果てたアルバイトを救った店長の一言

  • 2026.10.16
「は?アイスも金取るの?」飲食店で無料サービスを要求する常連客。だが、困り果てたアルバイトを救った店長の一言

常連客が突然言い出した無理な要求

学生のころ、私は夜の飲食店でアルバイトをしていました。

仕事帰りの会社員でにぎわう店で、普段は大きなトラブルもなく働いていました。

ただ、一人だけ対応に緊張する常連客がいました。

40代くらいの強面の男性で、家族や友人と何度か来店している人です。

口調が強く、スタッフを呼びつけては、あれこれ注文をつけることがありました。

その夜も男性は、小学生くらいの子どもを隣に座らせ、テーブル席でお酒を飲んでいました。

私はなるべく気分を損ねないよう、飲み物を早めに運び、話しかけられれば笑顔で応じていました。

しばらくして、顔を赤くした男性に呼び止められました。

「おい、デザートは何があるんだ?」

私がメニューを見せながら説明すると、男性はバニラアイスのところで手を止めました。

「は?アイスも金取るの?」

「はい。こちらのお値段になります」

すると男性は、納得できない様子で言いました。

「あの店はバニラアイスをサービスで出すぞ!」

男性の話では、以前行った焼肉屋ではバニラアイスが無料で出てきたそうです。

「すみません。うちでは無料のサービスはしていないんです」

「なんだよ、それくらいいいだろ。よその店じゃ出してくれるんだぞ」

何度説明しても、男性は引き下がりません。だんだん声が大きくなり、近くの席のお客様までこちらを見るようになりました。

店長が伝えた、はっきりとした一言

困っている私をよそに、男性は隣に座る子どもの肩に手を置きました。

「なあ、アイス食べたいよな?」

子どもは小さくうなずきました。

「ほら、子どもがかわいそうだろ」

子どもまで持ち出され、私はどう返せばよいのか分からなくなりました。

これ以上は自分だけで対応できないと思い、厨房にいた店長へ事情を伝えました。

店長はすぐに男性のテーブルへ向かい、私はその後ろに控えました。

「いつもありがとうございます。アイスの件ですが、うちでは無料にできないんです」

「だから、よその店はタダなんだって!」

男性が声を荒らげても、店長は落ち着いた口調のままでした。

「それは、そちらのお店のサービスですよね。うちは違います。申し訳ありませんが、無料ではお出しできません」

男性は不満そうに顔をしかめました。

店長は続けました。

「それから、スタッフにこれ以上無理を言うのはやめていただけますか」

男性は何か言い返そうとしましたが、言葉が続きません。近くの席では、小さくうなずくお客様もいました。

結局、男性は不機嫌そうに伝票をつかみ、アイスを注文しないまま会計を済ませ、子どもと店を出ていきました。

ほっとしたのもつかの間、テーブルの下を見ると、食べ物がたくさん散らかっていました。

私がしゃがんで床を拭いていると、店長もやってきて、一緒に片づけ始めました。

「さっきの対応、あれでよかったんでしょうか…」

不安になって尋ねると、店長はうなずきました。

「うん。ちゃんと断れてたよ。無理なものは無理でいいんだから」

その言葉を聞いて、ようやく肩の力が抜けました。

通路の向こうでは、会社員のお客様たちが再びグラスを合わせています。

相手の機嫌を損ねないことばかり考えていた私にとって、できないことはきちんと断っていいのだと教えてもらった出来事でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ