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「背中スイッチ」は背中にない?助産師が教える赤ちゃんを置くコツと、ちょっとの本音

  • 2026.10.15

かつて産後うつだったひとりのママと、子育てに悩み笑顔を失いかけたママたちの姿を見てきたひとりの助産師。
2人の出会いから「ママたちの居場所」づくりが始まりました。

北海道で初めての産後ケアホテル事業「Cocokara」を通して、高橋奈美さんと荒木美里さんの2人が感じてきた思い…
それが「子育てに正解はない!」ということ。

ときに悩み、しんどくなったそのときに。
【連載|子育てに正解なし!ママの居場所から見た景色】がそっと寄り添い、明日ふっと笑える一助になりますように。

Sitakke

連載|子育てに正解なし!ママの居場所から見た景色

やっと寝た。
そーっと布団に下ろして、よし、いけたかな…と思って腕を抜こうとした瞬間…

「ふえ……」

起きた。
はい、もう一回。
抱っこして、ゆらゆらして、やっと寝たと思ってまた下ろす。

そしてまた起きる。

これを何回も繰り返して、気づいたら30分、1時間経っていた。
ありますよね。

世に言う「背中スイッチ」です。

さっきまで腕の中であんなに気持ちよさそうに寝ていたのに、布団に置こうとすると起きる。
あのスイッチ、一体どこについているんでしょう。

助産師の荒木美里さんがお話していきます。

Cocokaraでもよく聞く「置けない」問題

Sitakke

Cocokaraでも「抱っこだと寝るんですけど、置いたら起きるんです」という話は本当によく聞きます。

せっかく寝たのに、置いたらまた最初から。
何度も繰り返しているうちに、腕も肩も限界。
かといって、ずっと抱っこしているわけにもいきません。

ごはんも食べたいし、トイレにも行きたいし、ちょっと両手を自由にしたい。
ただ布団に置きたいだけなんですけどね。
何回か挑戦して、それでも起きると「もう一回寝かしつけるくらいなら、このままでいいか」と、置くことをあきらめてそのままずっと抱っこ、なんて日もあります。

Sitakke

赤ちゃんは気持ちよさそうに寝ているけど、こちらは動けない。
飲み物を取りたいけど、動いたら起きそう。
スマホだけは手元にある。
そんな状態で気づいたら結構な時間が経っていた、という経験がある方もいるんじゃないでしょうか。

助産師なら上手に置ける?

Sitakke

Cocokaraでは、これまでたくさんの赤ちゃんをお預かりしてきました。

「助産師さんなら、起こさず上手に置けるんですよね?」

そう思われることもあるかもしれませんが、普通に起きます(笑)

「寝たね、今ならいけそう」
と下ろして、あとは手を抜くだけ…というところでパチッと目が開く。

「あ〜起きた〜」と言って、また抱っこ。

Sitakke

きのうはすんなり置けたのに、きょうは何回やってもダメということもあります。
逆に「きょうはなかなか置けなさそうだね」と話していたのに、あっさり置けることも。

こればっかりは、毎回同じようにはいきません。

「背中スイッチ」、実はお腹スイッチ?

Sitakke

私たちが赤ちゃんを下ろすときに結構気にしているのが、実は背中よりもお腹です。

抱っこしているときって、赤ちゃんのお腹とこちらの体がくっついていますよね。
なので下ろすときも、なるべく最後までその状態をキープします。

お尻を布団につけて、背中もつけて、それでもまだお腹は離さない。
最後の最後に、そーっと離れる。
その結果、スタッフはベビーベッドの上で「それ、腰大丈夫?」みたいな、なかなかすごい格好になっていることがあります(笑)。

Sitakke

実はこれ、「背中スイッチ」について調べてみると、おもしろい研究がありました。

赤ちゃんを抱っこからベッドに下ろすときの心拍数を調べたのは理化学研究所などの国際チーム。
すると、赤ちゃんが目を覚ます反応をし始めたのは、背中が布団についた瞬間ではなく、抱っこしている人の体から離れ始めたときだったそうです。

つまり「背中がついた!」ではなくて「お腹が離れた!」に反応している可能性があるということ。

背中スイッチと呼んでいたけれど、実はお腹スイッチだったのかもしれません。

寝た!……でも、まだ置かない

Sitakke

この研究で、もうひとつ「へぇ〜」と思ったのが、赤ちゃんを置くタイミングです。
寝たら「よし!今のうちに置こう」と思いますよね。

でも、寝ついてすぐに置くより、少し待ってから置いたほうが起きにくかったそうです。
研究では、ベッドに置いたときに起きてしまった赤ちゃんは寝ついてから平均3分ほど、眠り続けた赤ちゃんは平均8分ほど経ってから置かれていました。

寝た直後はまだ眠りが浅いので、少し待ってからのほうが置きやすいことがあるようです。

なのでCocokaraでも、「寝た!」ですぐに置くのではなく、もう少し抱っこしたまま待ってみることがあります。
その間、なるべく抱き方は変えずにそのまま。

Sitakke

そして、そろそろかな……というところで布団へ。
お尻をつけて、背中をつけて、お腹はまだ離さない。
スタッフの体勢はどんどんすごいことになっています。

そして、ようやく置けたときには…
「おお〜!」

スタッフ同士で小さく拍手することもあります。
もちろん、せっかく寝た赤ちゃんを起こしたくないので、ものすごく静かな拍手です(笑)

助産師でも、置けたら普通にうれしいです。

それでも、起きるときは起きます

Sitakke

ここまで読むと、「じゃあ、寝てから少し待って、お腹を最後まで離さなければいいのね!」と思うかもしれません。

でも、そう簡単にはいきません。
少し待ってみても、お腹を最後までくっつけてみても、起きるときは起きます。

その子によっても違うし、きのううまくいった方法がきょうは全然ダメ、ということもあります。

何回かやってみて、「きょうはもう抱っこかな〜」となる日はCocokaraでもあります。

Sitakke

だから、家で何度やっても置けないときに「私の寝かせ方が悪いのかな」と、そこまで考えなくてもいいのかなと思います。

私たちも日々、「きょうはこれでいけるかな?」「あ、起きた」「じゃあ次どうしようか」と、そんな感じでやっています。

背中スイッチなのか、お腹スイッチなのか。
それともきょうはやっぱり起きちゃうのか。

まさに、正解なし!
きょうも赤ちゃんに教えてもらいながら、スタッフはなかなかすごい格好でベビーベッドに向かっています。

連載|子育てに正解なし!ママの居場所から見た景色

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文:Cocokara 荒木美里
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は執筆時(2026年10月)の情報に基づきます。

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