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「前に立て替えてもらった分は、これでいいわね」お金を返さない義母。だが、葬儀帰りの車で妻に渡したもの

  • 2026.10.17

葬儀へ向かう車で頼まれた立て替え

仕事を終えて帰宅すると、妻が慌ただしく引き出しを開け閉めしていました。

話を聞くと、親戚が亡くなり、急きょ葬儀に参列することになったそうです。

私たちは急いで礼服に着替え、妻の実家へ向かいました。

夕方、礼服姿の義父と義母を後部座席に乗せ、葬儀会場へ車を走らせていたときのことです。

しばらくすると、後ろから義母が助手席の妻に声をかけました。

「悪いんだけど、香典のお金、ちょっと立て替えてもらえない?」

急な知らせで、用意が間に合わなかったようです。

ところが、妻は振り向いた途端、あからさまに嫌そうな顔をしました。

「えっ、また?この前の分も、まだ返してもらってないんだけど!」

どうやら義母にお金を立て替えたのは、今回が初めてではなかったようです。

「あら、そうだったかしら」

義母はあっけらかんと答えます。

「今度、まとめて返すわよ」

「もう…。分かった。今日は立て替えておくから」

妻はため息をつきながら財布を確かめました。義父は何も言わず、窓の外を眺めています。

私は運転しながら、思わず苦笑いしてしまいました。

義母の言う「今度」がいつなのか、私にはさっぱり分かりません。これまでの様子を思い返すと、今回も返ってこないのではないかと思っていました。

帰りの車で差し出された紙袋

葬儀は滞りなく終わり、帰り際には受付で香典返しの紙袋を受け取りました。

行きと同じ席順で車に乗り込み、妻の実家へ向かいます。

車内はしばらく静かでした。義父は目を閉じ、妻も窓の外を眺めています。

香典代の話も、すっかり終わったかのようでした。

ところが、突然、後部座席からガサガサと紙袋の音が聞こえてきたのです。

バックミラーをのぞくと、義母が先ほど受け取った紙袋を、助手席の妻に差し出していました。

「はい、これ。前に立て替えてもらった分は、これでいいわね」

妻は一瞬、何を言われたのか分からない様子でした。

「え?これ?」

差し出された紙袋を受け取り、中をのぞきます。

そして、あきれたように言いました。

「お母さん…中身、お茶だよ」

「えっ、お茶なの?」

義母は驚いた顔で、妻と紙袋を交互に見ています。

どうやら、中身を確かめないまま、以前の立て替え分のお返しにしようとしていたようです。

私は思わず吹き出しそうになりました。

お茶でお金を返したことにするなんて。しかも義母は、悪気があるというより、本当にそれで済むと思っていたように見えたのです。

笑ってはいけないと思い、私は必死に口元を引き締めました。

実家に着いてからの思わぬ結末

妻の実家に到着すると、義母は居間に上がって財布を取り出しました。

そして、今回の香典代だけでなく、以前立て替えてもらった分まで、きちんと妻に手渡したのです。

「はい、これで全部ね。お茶はおまけにしておくわ」

その言葉に、妻はとうとう笑い出しました。

「もう、お母さんったら…!」

私も、車の中からずっとこらえていた笑いが止まらなくなりました。

返すつもりがなかったのかと思っていたのに、最後にはちゃんとお金が戻ってきたのです。

お茶の紙袋を返済代わりに差し出した義母の姿を思い出すたび、今でもつい笑ってしまいます。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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