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同期の妻からの「つなぎって、どういう意味ですか?」に、俺が打っては消したメッセージ

  • 2026.10.16
ハウコレ

同期の奥さんからの質問に、正直に答える言葉はもう手元にありました。それでも送らなかったそのメッセージは、本当は最初に彼女へ伝えるべきものだったのです。

同期から届くはずの返事が、その奥さんの名前で届きました。慌てて送信履歴をさかのぼると、さっき送った2通の宛先は同期ではありません。どちらにも、もう既読がついていました。

誰にも話せていなかった内示

来春から地方の支店へ移るよう内示を受けたのは、少し前のこと。付き合って1年になる彼女には、まだ話せていませんでした。彼女は職場で、ようやく大きな仕事を任されはじめたところです。ついてきてほしいと言えば困らせるし、断られる場面ばかりが先に浮かびました。

その日、同期から職場で「今度うちで飲もう。彼女も連れてこいよ」と誘われました。同期は前にも「そろそろ結婚?」と笑っていた人です。彼女を連れていけば、また先の話になる。本気で付き合っていると思われたまま、結婚はどうするのかと聞かれるのが怖かった。異動のことを黙ったまま、その話をしたくありませんでした。だったら最初から、大した関係ではないように言っておけばいい。そんな逃げ方を選んで、名字で連絡先を検索し、一番上のアカウントに打ったのがあの2通です。

「今度の飲み、彼女は呼ばなくていいよ」

「今の彼女、つなぎだから」

つなぎという言葉は、そのための予防線でした。そう言っておけば、別れることになっても平気な顔ができると思っていました。

送らなかった本当の理由

奥さんからの指摘を読んだあと、入力欄に打ちかけた弁解を3回消しました。結局送ったのは、送り先を間違えたという謝罪と、忘れてほしいという頼みだけ。その2通でやり過ごせると思っていたのです。

返ってきたのは、彼女が自分の後輩だというメッセージと、短い質問でした。

「つなぎって、どういう意味ですか?」

一度は「来春、異動になるんです」と打ちました。けれど、彼女より先に同期の奥さんへ話すのは順番が違う。そのメッセージを消して、代わりに送ったのが次の2通です。

「言い方が最低でした。でも、今はまだ説明できません」

「本人には、自分から話します」

同期の奥さんからの短い返事

返事はすぐに来ました。

「話すなら、ちゃんと話してあげてください」

責められると思っていたのに、奥さんが気にしていたのは、俺が彼女にちゃんと話すかどうかだけでした。つなぎと呼んで、傷つかない準備をしていたのは俺のほうだったと、そこでやっと認めました。

それから数日、彼女とのチャット画面を開いては閉じる日が続きました。会う約束を1つ取りつけるだけなのに、過去のメッセージをさかのぼってばかりいたのです。ようやく送ったのは、こんな文面でした。

「今度の休み、会える?大事な話がある」

そして...

約束の日、駅前のカフェで向かい合った彼女に、異動のことと、同期あてに送るつもりだったメッセージのことを話しました。つなぎと書いたと伝えたとき、彼女はカップを置いて、しばらく窓の外を見ていました。

「なんで、先に1人で決めちゃうの」

返事は、少し考えさせてほしいというもの。あれから、転勤先の部屋探しのサイトを何度も開いています。入居人数の欄は、まだ「1人」のままです。

(30代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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