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音楽家・渋谷慶一郎氏×慶應大・國領二郎名誉教授がAI時代の人間の本質を議論「すでにシンギュラリティは訪れている」

  • 2026.10.15

音楽家の渋谷慶一郎氏と慶應義塾大学名誉教授の國領二郎氏が10月13日(火)、幕張メッセで開催された「CEATEC 2026」の独立行政法人情報処理推進機構(IPA)ブースに登壇し、スペシャルセッション「テクノロジー右脳左脳対談」を行った。

対談では、AIやデジタル技術の進化が人間の本質や表現に与える影響をはじめ、AI社会におけるルールづくり、次世代の人材育成などについて議論。國領氏は「AIの進歩は近代化以来、約200年ぶりの地殻変動」と指摘し、人間の自律性や個のあり方を根本から考え直す時代を迎えているとの見解を示した。

渋谷慶一郎氏「すでにシンギュラリティは訪れている」AIと人間の新たな可能性を語る

これに対し渋谷氏は、自身が手掛けるアンドロイド・オペラなどの創作活動を例に挙げ、「すでにシンギュラリティは訪れている」と発言。AIのバグや予期せぬ動きを表現に取り込むことで、従来の感情や枠組みを超えた新しい表現が生まれていると語った。

AI社会のルールづくりについては、國領氏がAIエージェントの普及に伴う代理権や責任の所在などの課題を指摘。渋谷氏も、国際競争の中で独自の技術や「0から1を生み出す表現」を大切にしながら、主体的にルール形成に関わる必要性を訴えた。

また、人材育成をめぐって渋谷氏は、知識や知性に加え、強い「欲望」や「衝動」を持つ人材を見極め、国際的な実践の場に送り出すことの重要性を強調。國領氏も、個人の可能性や初期衝動を尊重し、多様な出会いを生む環境づくりがイノベーションにつながると応じた。

会場から「欲望」の定義を問われた渋谷氏は、自らの存在意義に関わるほどの強い決断や原動力だと説明し、「もしAIが欲望を持つようになれば社会や表現の前提が根本から変わる」との視点を提示。國領氏も、個人の欲望や衝動を社会の活力へと転換することが重要だと語った。

約40分にわたる対談では、AI時代における人間の創造性や社会のあり方について活発な意見が交わされ、終了時には渋谷氏が「もっと話したかった」と語る一幕もあった。

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