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一匙ごとに、味も香りも千変万化の面白さ。大衆食として楽しむビリヤニ、小川町〈BIRYANI MASTER〉

  • 2026.10.16
〈BIRYANI MASTER〉の チキン&マトン

おいしそうな香りが漂う中、店主・三上正太郎さんが炊き上がったビリヤニを混ぜていく。混ぜるというより、下から上まで、パフェを食べるときみたいにそっとすくい上げ、ふわりと皿に移す。長粒のバスマティライスが、グレービーをまとった肉と絡まり、真っ白だった部分が黄色のグラデーションへと変わっていく。それを彩りよく盛り付ける。見ているだけで、「ビリヤニ、来たっ!」とテンションが上がる。

〈BIRYANI MASTER〉店主の三上さん
「キノコのビリヤニが一番好き」と言う店主・三上さん。師匠・大澤さんが絶対の信頼を置く人物。研究熱心だけに新作が待たれる。
〈BIRYANI MASTER〉の チキン&マトン
チキン&マトン1,700円。上品で軽やかなチキンとほろほろのマトンを一皿で。レモン、赤タマネギ、パクチー、ライタ、ミルチ・カ・サーランと。ミルチ・カ・サーランは、インド・ハイデラバード地方でビリヤニと一緒に食べられるピーナッツベースのグレービー(ソース)のこと。

11時の開店を待って、早い時間から行列が続く。予約超絶至難の〈ビリヤニ大澤〉が初めて出した姉妹店、しかも予約不要とあれば、そりゃあ並ぶよな。驚くのは、決して広くない店内にコーラと水のドリンクサーバーがドン。これは「ビリヤニには絶対コーラ」という、師匠・大澤孝将さん推奨によるもの。何と無料、飲み放題。

コーラ飲み放題。コカ・コーラ ゼロもある。

ビリヤニの調理法には、マリネした生肉とゆでた米を重ねるカッチ式と、火入れした具材を用いるパッキ式があるそう。この店ではチキンにはカッチ式、マトンにはパッキ式を採用している。チキンは、スパイスで一晩マリネし、炊く1時間前に、トマトとリコッタチーズ、ヨーグルトを加えて2次マリネを。その生の状態のチキンの上、ゆでた米をのせて炊き上げる。

対してマトンは、骨付きのまま、じっくり3時間かけて油で煮て(コンフィ)、おいしい味を吸わせる。このとき、102℃をキープ。そうしないとカリカリに揚がってしまう。鍋でスパイスをテンパリングし(香りを最大限に引き出す)、香りの移った油に、トマト、ニンニク、ヨーグルト、ショウガを加えて、馴染ませながらクツクツ煮る。骨を取ったマトンを入れて味を馴染ませ、ゆでた米をのせて炊き上げる。

日替わりの中でも人気の超粗挽きマトン1,800円。普通のマトンと異なり、カリカリになるよう火加減を調節。スパイシーでピリッとした辛さ。ご飯が進む。

一番神経を使うのは、炊くときの温度。「わざわざ温度を測っているのはうちくらい」と三上さん。小さなキッチンで、でき得る限りおいしく、たくさん作れるよう、大澤さんのレシピを基に再構築している。データベースにレシピが収録されているそうで、そこから引き出して自分なりのアレンジを加えてもいる。レシピはメモのような形なので、読み解きつつ、自分流に試行錯誤を繰り返して完成させる。どんな新作が登場するのか、楽しみだ。

Information

BIRYANI MASTER

チキン、マトン、日替わりに加え、合い盛りも。三上さんの自信作、チビラッシー150円も必飲。

住所:東京都千代田区神田司町2-15-16 2F
TEL:なし
営:11時〜14時(売り切れ次第終了)
休:土曜・日曜・祝日

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