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「ねえ、お父さん。私のバッグ知らない?」出かける直前の妻と探し回った私。寝室に戻って気づいた見落とし

  • 2026.10.16

出かける直前、妻のバッグが見当たらない

日曜の昼のことです。妻は学生時代からの友人と会う約束があり、朝から寝室で出かける支度をしていました。

私は居間で新聞を読んでいましたが、しばらくすると、着替えと化粧を済ませた妻が顔を出しました。

「ねえ、お父さん。私のバッグ知らない?」

「バッグ?いや、見てないな。玄関にはないの?」

「ないのよ。寝室も探したんだけど、どこにもなくて…」

探しているのは、いつも使っている茶色いハンドバッグです。

妻は出かける前に何かを探すことがよくあります。今回もすぐ見つかるだろうと思い、私は新聞を読み続けていました。

ところが、妻は何度も時計を確認しています。

「ああ、困った。もう時間がないのに…」

その焦った声を聞いて、私も新聞をたたみました。

「わかった、私も探すよ。どこかに置いたんだろう」

家じゅう探しても見つからない

まずは玄関です。靴箱の上や傘立てのまわり、上がりかまちの下まで確認しましたが、バッグはありません。

居間の棚や押し入れ、台所も探しました。

念のため駐車場の車の中まで見に行きましたが、やはり見つかりません。

「おかしいな。最後にどこで使ったんだ?」

「それが思い出せないのよ。もう、どうしよう…」

「ああ、もう!そろそろ出ないと間に合わないわ」

妻はすっかり焦っています。

「ちょっと、もう一回寝室を見てみよう。見落としてるかもしれないし」

妻はすでに探したと言っていましたが、念のため2人で寝室に戻りました。

30分間、すぐそばにあったバッグ

寝室に入った私は、何気なく鏡台のほうへ目を向けました。

すると、鏡台の前に置かれた小さないすの上に、茶色いハンドバッグがあるではありませんか。

しかも、鏡にもバッグが映っています。

「あれ?おい、あそこにあるの、違うか?」

私が指さすと、妻はきょとんとした顔で振り返りました。

「えっ?…あっ!」

妻は急いでいすに近づき、バッグを手に取りました。

「そうだった!ここに置いたんだったわ!」

妻の話では、化粧を始める前にバッグをいすの上に置き、そのあとは立ったまま鏡に向かっていたそうです。

化粧にかけた時間は、およそ30分。

顔ばかり見ていたためか、すぐそばに置いたバッグには、まったく気づかなかったようです。

「なんだよ、こんなところにあったのか!」

「もう、やだ!私、何やってるのかしら!」

妻が笑い出すと、私もつられて笑ってしまいました。

あれほど家じゅう探したのに、最初から寝室にあったとは。2人ともおかしくて、しばらく笑いが止まりませんでした。

妻はバッグを肩にかけ、今度こそ出かけていきました。

そして、その日の夜。帰宅した妻が、靴を脱ぎながら笑って言いました。

「ねえ、今日のいちばんの話題、あのバッグのことだったわ!」

どうやら友人にも、この出来事を話したようです。

それを聞いて、私もまた笑ってしまいました。

あの日以来、鏡台の前のいすを見るたびに、妻と2人で家じゅうを探し回ったことを思い出します。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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