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「楽器を吹いちゃいけない決まりはないでしょう」毎日響く隣室の管楽器。管理組合の総会で新たなルールが決まった瞬間

  • 2026.10.15

毎日響く楽器の音と、隣人の言い分

50代の私が暮らす集合住宅では、隣の部屋から聞こえてくる楽器の音が、長い間悩みの種になっていました。

サックスなどの管楽器を、毎日何時間も演奏しているのです。

低い音が壁や床を伝って響き、家にいてもなかなか落ち着けません。

困っていたのは私だけではありません。ほかの住人からも苦情が出ていて、管理会社を通して注意してもらったこともありました。

ところが、音は一向に収まりませんでした。

ある夕方、我慢できなくなった私は、隣の部屋を訪ねました。

チャイムを押すと、50代くらいの男性が出てきました。

開いた扉の向こうからは、相変わらず楽器の音が響いています。

「すみません。毎日かなり音が響いていて…。もう少し控えていただけませんか」

私がそう伝えると、男性は腕を組みました。

「ああ、管理会社からの紙ですか?あれなら読みましたよ」

「そうですか。でも、夜遅くまで聞こえる日もあるので……」

すると、男性は少し強い口調で言いました。

「楽器を吹いちゃいけない決まりはないでしょう。だったら問題ないじゃないですか」

「禁止されていないのは分かります。でも、せめて時間だけでも考えてもらえませんか」

「決まってないことに口を出される筋合いはないですね」

それだけ言うと、男性は扉を閉めてしまいました。

私はしばらく廊下に立ち尽くしました。

何を言っても、決まりがないことを理由に断られてしまうのです。

その夜も、楽器の音は日付が変わる少し前まで続きました。

住民総会で決まった新しいルール

このままでは何も変わらないと思い、私は同じ階の住人たちと話し合いました。

そして、管理組合に対して、楽器の演奏時間について明確な決まりを作ってほしいと申し入れたのです。

その後、全戸に配られた総会の議案書には、楽器演奏に関する使用細則案が載っていました。

日曜日に開かれた管理組合の総会には、隣の男性も出席していました。

私は男性の斜め前の席に座り、議事の進行を見守っていました。

前に立った女性の理事長が、議案の内容を説明します。

「室内での楽器演奏は、近隣に配慮した時間帯に限り、夕方以降は控えるものとします。守られない場合は、管理組合から書面で是正を求めるという内容です」

その説明が終わると、隣の男性が声を上げました。

「ちょっと待ってくださいよ。今さらそんな決まりを作るなんて、おかしいでしょう」

理事長は落ち着いた様子で答えました。

「住民の皆さんからご相談がありましたので、今回、議案として出しています」

男性は納得できない様子でしたが、理事長はそのまま採決に進みました。

「それでは、賛成の方は挙手をお願いします」

すると、会場のあちこちで手が挙がりました。

男性は周囲を見回していましたが、やがて手元の議案書に目を落としました。

結果は賛成多数。楽器演奏に関する使用細則案は可決されました。

理事長は男性のほうへ向き直り、静かに伝えました。

「今日から、この決まりでお願いします。ご協力ください」

男性は何か言いかけましたが、結局、何も言い返しませんでした。

総会の翌週、廊下で理事長と顔を合わせたときのことです。

「実は、前の晩も夜遅くまで音が続いていたので、管理組合から書面で改善をお願いしたんです」

理事長はそう教えてくれました。

それ以降、夜遅くに響いていた楽器の音は、ぴたりと聞こえなくなりました。

私は久しぶりに、静かな夜を過ごすことができました。

直接お願いしても変わらなかった状況が、住人たちで話し合い、きちんと決まりを作ったことで変わったのです。

あの総会で次々と挙がった手を、今でも覚えています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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