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「『エモい』ってどういう意味?」母から聞かれた私。説明後、50年前から知っていると言い出したワケ

  • 2026.10.14

夕飯中、母が聞いてきた若者言葉

週末の夜、私は妻と一緒に実家へ夕飯を食べに行きました。

母の作った煮物を囲むのは、ここ数年続いている週末の習慣です。

その日も私と妻が並んで座り、向かいには母が座っていました。

つけっぱなしのテレビでは、若いタレントが夕暮れの海を眺めながら、「エモい!」と声を上げています。

それを聞いた母が、ふと箸を止めました。

「ねえ、前から聞きたかったんだけど。『エモい』ってどういう意味?」

母によると、孫たちが集まるたびに使っているので、ずっと気になっていたそうです。

「そうだなあ。懐かしかったり、感動したりして、うまく言葉にできないような感じかな」

私は少し得意になって説明しました。

「例えば、昔の写真を見て、なんだか胸がいっぱいになるようなときにも使うんだよ」

「へえ。言葉にできない感じ、ねえ」

母は何度もうなずいています。

若い人の言葉をうまく説明できたと思い、私は少しほっとしました。

ところが、その直後でした。

「50年前から知ってる」と言った母

母は箸を置くと、ぱっと顔を上げました。

「なあんだ。それなら私、50年前から知ってるわ」

「えっ、50年前?」

そんな昔から「エモい」という言葉があったとは思えません。

何か別の言葉と勘違いしているのだろうか。私が首をかしげていると、母は得意そうに言いました。

「『えも言われぬ』の略でしょ?」

思いがけない答えに、私は箸を持ったまま固まりました。

「えも言われぬ」は、言葉では言い表せないという意味の、昔からある表現です。

確かに、私がさっき説明した内容とよく似ています。

隣にいた妻が、こらえきれずに吹き出しました。

「あはは!お義母さん、そう来ましたか!」

私も思わず笑ってしまいました。

「略かどうかは分からないけど、確かに意味は近いかもね」

母は少しも気にした様子がなく、むしろうれしそうです。

「あら、こっちが元祖なのに」

その得意げな顔がおかしくて、妻と私はまた笑ってしまいました。

若い人の言葉を教えるつもりが、母のひと言で、こちらまで昔の日本語を思い出すことになったのです。

翌週末、孫たちに披露した言葉

次の週末、私が実家にいたときのことです。

孫たちも遊びに来ていて、母は縁側から夕焼けを眺めていました。

すると、母が孫たちのほうを振り返り、うれしそうに言ったのです。

「この夕焼け、えも言われぬ美しさね」

孫たちは「えっ?」という顔で、互いを見つめ合いました。

その後ろで、私は笑いをこらえるのに必死でした。

どうやら母は、「エモい」を自分なりにすっかり理解したようです。

世代が違えば、使う言葉も違います。それでも、きれいな夕焼けを見て感じる気持ちは、案外同じなのかもしれません。

母の得意そうな顔を見ながら、そんなことを思った週末でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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