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「好きな人できた」で止まった下書きを彼女に見られた俺→本当はその先まで打つつもりでした

  • 2026.10.14
ハウコレ

「好きな人できたの?」と届いた彼女の質問に、俺が返せたのは短いメッセージだけでした。打ちかけた言葉には続きがあったのに、送れなかった理由があったのです。

「明日早いから、今日は帰るね」と言ったとき、彼女はもうコートに袖を通していました。駅まで送るという申し出も、短く断られました。閉まったドアの前で、泡のついた手をタオルで拭くことしか思いつきませんでした。

打ちかけてやめた続き

付き合って2年。新しい案件が始まってから、彼女の返信は翌日になることが増えていました。

数日前に届いたのは「ごめん、今日も同期とご飯になった」。同じような連絡はこれで3回目でしたが、誰と行っているのか、俺は聞いたことがありませんでした。

返事を打とうとして、気づけば入力欄にあったのが「好きな人できた」。そのあとに「なら、ちゃんと言ってほしい」と続けるつもりでした。

けれど、もし「そうだよ」と返ってきたら、その先に何を打てばいいのか分かりません。途中まで打った文字をそのままに、アプリを閉じました。

見られたと分かった入力欄

鍋のあと、洗い物で手が離せず、写真を送るよう彼女に頼んだのは俺です。あの下書きのことは、すっかり頭から抜けていました。

彼女が帰ったあと、様子を聞こうとトーク画面を開いて、入力欄に残った文字を見つけました。写真を送った彼女の目に、入らなかったはずがありません。

それでも下書きを消して、「急に帰ったけど、大丈夫?」と送りました。見られていないかもしれない。そんな望みにすがったメッセージでした。

届いた返事は、「写真送るとき、下書き見えちゃった。好きな人できたの?」。

説明しようと、続きの文を打ちました。けれど送れば、彼女を疑っていたことまで伝わってしまう。3回の「同期とご飯」を、ずっと数えていたことも。打っては消し、最後に残ったのは一番短いメッセージでした。

「ごめん。あれは送るつもりなかった」

送信済みの画面を見て、ようやく気づきました。違う、とはどこにも書いていないことに。

責める言葉のない返事

洗いかけの鍋をシンクに残したまま、次のメッセージを待ちました。

「ちゃんと聞くから、会って話したい」

責める言葉は、1つもありませんでした。先に疑ったのは俺なのに、彼女は決めつけず、俺の話を聞こうとしてくれているように読めました。

途中で止めたまま忘れていた下書きが、こんな形で伝わってしまった。彼女が会って聞くと言ってくれた今、あの続きから説明しなければと思いました。

そして...

返事を打てたのは、ずいぶん経ってからでした。

「明日会える?続き、ちゃんと話す」

既読は、つかないままでした。

未読のメッセージの下で、入力欄は空になっていました。同期が誰なのか、あの3回の連絡が何だったのか、彼女に聞いたことは一度もありません。あの下書きの意味を説明する前に、まずそれを自分の口で聞くつもりでした。スマホを充電器につなぎ、洗いかけだった鍋を、もう一度洗い始めました。

(20代男性・システムエンジニア)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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