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「着てないって言ってるでしょ!」汚れのついた服を返品しようとする女性客。だが、店長が気づいた服に残る違和感

  • 2026.10.13

「一度も着ていない」と差し出された服

大学生のころ、私は洋服店でアルバイトをしていました。

ある平日の夕方、レジカウンターで仕事をしていると、50代くらいの女性が紙袋を持ってやってきました。

店長は奥の事務所にいて、カウンターには私ひとりでした。

「あのね、これ返品したいんだけど」

女性が紙袋から出したのは、数日前に購入したという5千円ほどのカットソーでした。

「1回も着ていないんだけど、家で合わせたら、なんかイメージと違ったのよ」

私は商品を受け取り、状態を確認しました。

ところが、広げてみて驚きました。

首の後ろのタグは切り取られ、えり元と袖口にはファンデーションのような色がはっきり残っていたのです。

さらに、香水の強い香りもしました。

「あの、申し訳ございません。こちら、タグが切られていますし、汚れもついているようで…」

すると女性は、カウンターを指でトントンとたたき始めました。

「それが何?早くしてくれない?このあと用事があるんだけど」

「申し訳ございません。こちらの状態ですと、返品はお受けできないんです」

その瞬間、女性の表情が変わりました。

「はあ?ちょっと、どういうこと?」

女性は手のひらでカウンターを強くたたきました。

後ろには会計を待つお客様が2人並んでいて、私はどう対応すればいいのか分からず、困ってしまいました。

「1回も着てないわよ!」

店長が服を確認して伝えたこと

「こんな店、二度と来ないから。いいから早くお金を返してよ!」

女性の声はますます大きくなり、後ろのお客様も気まずそうに目をそらしていました。

私がもう一度説明しようとしたとき、奥の事務所のドアが開きました。

出てきたのは、30代後半くらいの女性店長です。

「ありがとう。ここは代わるね」

店長は私にそう声をかけると、お客様に向き直りました。

「お待たせして申し訳ありません。商品を確認させていただきますね」

女性は不満そうに腕を組んでいましたが、店長は落ち着いた様子でカットソーを広げました。

そして、えり元を照明に向けながら、ゆっくりと説明しました。

「こちら、えり元と袖口にお化粧のような汚れがついていますね」

「だから、着てないって言ってるでしょ!」

「はい。ただ、香水の香りもかなり残っているんです」

店長はそこで少し言葉を区切りました。

「お客様が今つけていらっしゃる香水と、よく似た香りがするようですが…」

その言葉に、女性は一瞬黙り込み、カウンターに置いていた手を引っ込めました。

後ろにいたお客様のひとりが小さく息をのみ、もうひとりも手にしていたブラウスで口元を隠しました。

店長は責めるような口調にはならず、そのまま続けました。

「一度も着ていないとおっしゃるのは分かりました。ただ、タグが外され、汚れや香りも残っている状態ですので、返品はお受けできないんです。申し訳ありません」

女性は何か言い返そうとした様子でしたが、すぐには言葉が出てきません。

顔を赤くすると、店長が丁寧にたたんで紙袋に戻したカットソーを受け取り、後ろのお客様と目を合わせずに店を出ていきました。

私は緊張が解けて、ようやく肩の力を抜きました。

すると店長が、私にだけ聞こえる声で言ってくれたのです。

「最初の説明で合ってたよ。大丈夫」

その一言に、ほっとしました。

お客様の勢いに押されてしまった私でしたが、店長のように、相手が怒っていても落ち着いて説明できるようになりたいと思った出来事です。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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