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「2つくらい、メモなんかいらないよ」妻に頼まれた買い物を引き受けた自信満々の私。30分歩き回って持ち帰った袋の中身

  • 2026.10.13

「2つくらい覚えられるよ」と家を出た私

50歳を過ぎたころから、私は物忘れが増えたと感じるようになりました。

めがねを頭にのせたまま探したり、2階に上がってから何をしに来たのか忘れたり。それでも、自分ではまだまだ大丈夫だと思っていました。

ある休日の夕方、居間で新聞を読んでいると、台所から妻が顔を出しました。

「ねえ、牛乳1本と食パン1袋だけ、買ってきてくれる?」

「おう、いいよ」

妻がメモ用紙に手を伸ばしかけたので、私は笑って止めました。

「大丈夫だって。たった2つだろ?メモなんかいらないよ」

そう言って家を出ました。近所のスーパーまでは歩いて10分ほど。

道中も「牛乳と食パン、牛乳と食パン」と頭の中で繰り返していました。

ところが、店に入ってすぐ、入り口近くの棚に見慣れないせんべいを発見。

おいしそうだったので、ついカゴに入れてしまいました。

さらに、好きな缶のお酒もひとつ。特売品や新しいお菓子を眺めているうちに、気づけば店内を30分ほど歩き回っていました。

レジを済ませて外に出ると、空はきれいな夕焼けです。

私は買い物袋を提げ、すっかり満足して家へ向かいました。

妻に言われてのぞいた袋の中身

「ただいま!」

居間で洗濯物をたたんでいた妻が顔を上げました。

「おかえり。ありがとう。牛乳、冷蔵庫に入れといてね」

「おう、わかった」

台所に入った私は、袋からのぞくせんべいを見ながら、どれから食べようかと考えていました。

そこへ、夕飯の支度を始めようと妻がやってきました。

「あれ、牛乳は?もう冷蔵庫に入れた?」

「いや、まだ。ちゃんと買ってきたよ」

私は何気なく袋の中をのぞきました。そして、そのまま動けなくなりました。

入っていたのは、せんべいと缶のお酒だけ。

牛乳も食パンも、どこにもありません。

「…あれ?」

「えっ、どうしたの?」

「いや、その…牛乳がない」

妻ものぞき込んで、目を丸くしました。

「ちょっと待って。食パンもないじゃない!」

「…ごめん。すっかり忘れてた」

妻はあきれた顔で私を見ました。

「もう!何を買いに行ったのよ」

返す言葉もありません。あれほど自信満々にメモを断ったのに、頼まれたものを両方とも忘れるとは。

何とか機嫌を直してもらおうと、私は袋からせんべいを取り出しました。

「……せんべい、半分あげます」

妻は一瞬ぽかんとしたあと、こらえきれずに吹き出しました。

「ふふっ…もう、そういう問題じゃないの!」

怒られると思っていた私も、つられて笑ってしまいました。

結局、2人で散歩がてら、もう一度スーパーへ。出かける前に、妻にはせんべいを1枚渡しました。

今度は妻が牛乳を、私が食パンを持ってレジに並びました。

帰り道、妻は先ほど渡したせんべいをかじりながら、ぽつりと言いました。

「でも、このせんべいはおいしいわね」

「だろ?それはいい買い物だっただろ?」

「はいはい。でも、次からはちゃんとメモしてね」

今では買い物のたびにメモを書き、帰宅したら妻に見せてから捨てるのが私の決まりです。

ちなみに、この前のメモのいちばん下には、妻の字でこんな言葉が書き足されていました。

「せんべいは1袋まで」

どうやら妻も、あのせんべいは気に入ってくれたようです。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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