1. トップ
  2. エピソード
  3. 「灯油、ポリタンク1個分お願い」灯油を買ってくるはずの彼が差し出したコンビニ袋。中身を見た私は思わず固まった

「灯油、ポリタンク1個分お願い」灯油を買ってくるはずの彼が差し出したコンビニ袋。中身を見た私は思わず固まった

  • 2026.10.13
「灯油、ポリタンク1個分お願い」灯油を買ってくるはずの彼が差し出したコンビニ袋。中身を見た私は思わず固まった

寒い夜、彼に頼んだ買い物

20代のころ、付き合い始めたばかりの彼との間に起きた、忘れられない出来事があります。

その日は朝から冷え込み、夜には窓ガラスが白くくもるほど寒い日でした。

仕事帰りの彼が、私のアパートに遊びに来ることになっていました。

ところが、部屋のストーブは給油ランプが点滅しています。

わきに置いていた18リットル入りのポリタンクも、すっかり空っぽでした。

どうしようかと毛布にくるまっていたところ、彼から電話がかかってきました。

「今から行くよ。途中でコンビニ寄るけど、何かいる?」

私はちょうどいいと思い、お願いしました。

「あ、じゃあ灯油!ポリタンク1個分お願いできる?」

すると、彼が少し黙りました。

「…え、そんなにいる?200ミリくらいじゃだめ?」

「えっ、200ミリ?いやいや、それじゃ全然足りないよ」

「そ、そうなんだ…」

ずいぶん驚いている様子でした。

彼は実家暮らしが長かったので、きっと灯油を自分で買ったことがないのだろうと思いました。

近所のコンビニでは、冬になると店先に灯油用のポリタンクが並んでいました。

私はそこで灯油が買えるものだと思い込んでいたのです。

「とにかく、多めにお願いね」

「分かった。あるだけ買っていくよ」

少し変わった返事だなと思いましたが、買ってきてくれるならありがたいと、私は電話を切りました。

ちょうどそのころ、ストーブの火も消えてしまいました。

彼が持ってきたのは、まさかの3本

それから30分ほどして、呼び鈴が鳴りました。

「寒かったでしょ!ありがとう!」

ドアを開けると、ダウンジャケット姿の彼が立っていました。

ところが、彼が両手で持っていたのは、小さなコンビニの袋が1つだけです。

「ごめん。3本しかなかったんだ。これで足りる?」

「……えっ?」

何のことか分からず、袋の中をのぞき込みました。

そこに入っていたのは、なんと小さなしょうゆの瓶が3本。

私は一瞬、言葉を失いました。

「ちょっと待って。これ、しょうゆだよね?」

「うん。頼まれたやつでしょ?」

「私が頼んだの、灯油なんだけど…」

「えっ!?しょうゆじゃなくて?」

彼は驚いた顔で私を見つめ、それから玄関に置かれた空のポリタンクに目を落としました。

「あっ、そっちの灯油!?」

ようやく話がつながりました。

どうやら彼は、電話で私の「灯油」を「しょうゆ」と聞き間違えていたようです。

「だから200ミリって言ってたの!?」

「だって、そんなにしょうゆ使うのかと思って…!」

私は思わず吹き出してしまいました。彼もつられて笑い始め、2人で玄関に立ったまま、しばらく笑いが止まりませんでした。

結局、その夜は毛布を2枚かけ、買ってきてくれたしょうゆで味をつけた鍋を食べました。

鍋をつつきながら、彼が真面目な顔で言いました。

「でもさ、これで1年分くらいはあるよね」

その言葉に、また笑ってしまいました。

灯油は翌日、私が自分で買いに行きました。

ちなみに、彼が買ってきてくれたしょうゆ3本は、半年かけてきれいに使い切りました。

今でも灯油を買うたびに、あの寒い夜と、しょうゆの入った小さな袋を思い出します。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ