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「ああ、絶対に落ちた」バイトの面接で左利きの雑学を披露した私。だが、思わぬ事実に青ざめた瞬間

  • 2026.10.13

雑学が得意だと胸を張った面接

大学生のころ、私は家から歩いて通える飲食店のアルバイトに応募しました。

面接は昼すぎ、店がいったん閉まっている時間でした。

ほかのテーブルには椅子が逆さに上げてあり、私は店の奥にある2人がけのテーブルで、店長と向かい合って座っていました。

店長は白髪まじりの、50代くらいの男性です。

私の履歴書を見ながら質問し、ときどきメモ帳に何かを書き込んでいました。

「授業がある日は、夕方からで大丈夫?」

「はい!週に3日は入れます」

店長は優しい口調で話してくれて、最初は緊張していた私も、だんだんリラックスしてきました。

ひととおり質問が終わったころ、店長がふと思い出したように聞いてきました。

「そうだ。何か、自分の得意なことはある?」

その質問に、私は思わず胸を張りました。

小さいころから本やテレビで知った雑学を覚えるのが好きで、友人に披露することもありました。

私にとって、ちょっとした自慢だったのです。

「雑学なら、けっこう知ってます!」

「へえ、そうなんだ。例えば?」

興味を持ってもらえたのがうれしくて、私はとっておきの雑学を披露することにしました。

「雑学を1つ。左利きの人って寿命が短いらしいですよ」

店長の左手を見て、血の気が引いた

その瞬間、店長のペンがぴたりと止まりました。

「…え?」

私も思わず店長の手元を見ました。

そこで、ようやく気づいたのです。

店長は面接が始まってからずっと、左手でペンを持ってメモを取っていました。

(うそ…! 左利きだったの!?)

一気に血の気が引きました。よりによって、面接をしてくれている本人に、なんてことを言ってしまったのでしょう。

慌てた私は、何とか取り繕おうとしました。

「あっ、でも!左利きの人って天才が多いらしいです!」

「ああ、そうなの?」

「はい!えっと、画家とか……発明家とか……」

言えば言うほど、自分でも何を話しているのか分からなくなってきました。

店長はペンを置くと、少し考えるように腕を組みました。

「でも、それって昔の調査の話じゃなかったかな。今は違うって読んだ気がするよ」

「そ、そうなんですね…」

もう、どこを見ればいいのか分かりません。

すると店長は、目じりにしわを寄せて、少し笑いながら言いました。

「…長生きするように、がんばるね」

私は恥ずかしさで、テーブルにおでこがつきそうなほど深く頭を下げました。

帰り道も、あのときの店長の表情が頭から離れません。

(ああ、絶対に落ちた…)

ところが、3日後。なんと店から採用の電話がかかってきたのです。

気まずい失言が、半年続く習慣に

初めての出勤日、休み時間に店長とまかないを食べることになりました。

座ったのは、あの面接で使った奥の2人がけのテーブルです。

向かい側では、店長が左手で箸を持ち、焼き魚をほぐしていました。

面接の失言を思い出して、少し気まずくなっていた私に、店長が笑いながら聞いてきました。

「で、今日の雑学は?」

「えっ…覚えてたんですか?」

思わず顔が熱くなりました。

実は、また聞かれるかもしれないと思い、前の晩に雑学を3回も調べ直していたのです。

今度こそ誰も傷つかない話を選び、おそるおそる披露しました。

店長は笑ってうなずいてくれました。

それがうれしくて、私は次の日も、そのまた次の日も、雑学を1つ調べて出勤するようになりました。

気づけば、その習慣は半年も続いていたのです。

面接での大失敗だと思っていた一言が、まさか店長との毎日の会話につながるとは。

今でも左利きの人を見ると、あのときの店長の困ったような笑顔を思い出して、ちょっと恥ずかしくなります。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本記事に登場する雑学や発言は、当時の体験談をもとに再構成したものであり、内容の正確性を保証するものではありません。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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