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伝説のダンサーの愛憎も、落馬からの奇跡も。大人だからこそ泣ける実話映画3選

  • 2026.10.12

『ラスト・タンゴ』
©WDR/Lailaps Pictures/Schubert International Film/German Kral Filmproduktion


秋といえば昔は運動会が定番行事だったせいか、体を動かしたくなるものです。テニスやジョギングなどもよいですが、私たち世代になると、芸術的な要素も多く含まれる優美なダンスにも心惹かれます。また、自分が運動するわけではないですが、スポーツを観戦したりサポートするのも楽しいですね。そこで今回は、スポーツやダンスを題材にした50代女性におすすめの映画を3作品紹介。すべて実話がベースなので、生き方に感銘を受けたり、考えさせられたり、時に涙したりと、心に温かい余韻を残してくれるでしょう。

タンゴと一人の男性を愛し続けた女性。伝説のダンスペアの濃密な人生 『ラスト・タンゴ』

『ラスト・タンゴ』
©WDR/Lailaps Pictures/Schubert International Film/German Kral Filmproduktion

マリア・ニエベスとフアン・カルロス・コペス、伝説のタンゴ・ダンスペアの濃密な人生を綴ったドキュメンタリー。2015年の製作で、作品中ではマリアが80歳、フアンが83歳。二人はマリアが13歳か14歳の頃に出会い、まもなくペアを組んで踊り、喝采を浴びます。若い二人は結ばれたものの、裏切りや嫉妬から別れを選び、その後もダンスのパートナーとして40年間も共に踊り続けました。そして、かつては社交場で踊られていたダンスを舞台芸術として高め、アルゼンチン・タンゴに革命を起こしたのです。

『ラスト・タンゴ』
©WDR/Lailaps Pictures/Schubert International Film/German Kral Filmproduktion

老いてなお美しい80歳のマリアは、幼少期の苦労やフアンと初めて会った日のことを表情豊かに語ります。一方のフアンは現役で踊り続けており、過ぎた日々を回想します。本人たちのインタビューと古い映像、そして再現ドラマを織り交ぜながら、不世出のペアの真実を浮き彫りにしていきます。

『ラスト・タンゴ』
©WDR/Lailaps Pictures/Schubert International Film/German Kral Filmproduktion

再現ドラマを演じているのはアルゼンチンの名ダンサーたちなのですが、面白いのは、彼らがマリアからダンスの指導を受けている舞台裏のシーンも挟まれていること。現役のダンサーたちがマリアの話に熱心に耳を傾けている様子からも、彼女がいかに特別な存在であるのかが伝わってきます。

『ラスト・タンゴ』
©WDR/Lailaps Pictures/Schubert International Film/German Kral Filmproduktion

40年間続いたペアをなぜ解消したのか、という問いに対するマリアの答えに、タンゴと一人の男性を愛し続け、情熱も憎しみも踊りに昇華しながら懸命に生き抜いた女性の凄みを感じます。

『ラスト・タンゴ』
©WDR/Lailaps Pictures/Schubert International Film/German Kral Filmproduktion

フアンは2021年1月に89歳で、マリアは今年2026年4月に91歳で亡くなりました。タンゴを知らなくても、官能的なダンスに目を奪われ、二人の人生に深い感銘を受ける作品です。

『ラスト・タンゴ』

2015年製作

DVD ¥4,180 発売中
発売元:ニューセレクト
販売元:アルバトロス

©WDR/Lailaps Pictures/Schubert International Film/German Kral Filmproduktion

アメフトの才能を開花させた青年と支えた女性の感動の物語 『しあわせの隠れ場所』

『しあわせの隠れ場所』
© 2010 Warner Bros. Entertainment. All Rights Reserved.

寒い夜、夫と子どもたちと暮らす白人家庭の母親リー・アン(サンドラ・ブロック)は、Tシャツと短パン姿で歩く大柄の黒人青年・マイケル(クィントン・アーロン)に目を留め、彼を自宅へ招き入れます。行き場のない青年を放っておけなかったリー・アンは、後見人になることを決意。マイケルは一家と暮らしながら教育を受け、アメフトに取り組んで能力を発揮し、注目選手として成長していきますが……。

『しあわせの隠れ場所』
© 2010 Warner Bros. Entertainment. All Rights Reserved.

2009年にドラフト1巡目指名でNFLデビューを果たしたマイケル・オアー選手の実話をもとにした書籍の映画化で、映画では母親が主人公になっています。それゆえ、50代女性には共感できる部分が多くあるのではないでしょうか。他人の子どもの後見人になるということはなかなかできることではありませんが、なんとかしてあげたい、教育を受けて自分らしく生きてほしい、という思いは理解できますし、子どもがスポーツで活躍できるように熱心にサポートしたくなる気持ちもわかります。リー・アンを演じたのはサンドラ・ブロックで、毅然とした態度や慈愛に満ちた表情が印象的。ブロックは本作の好演で、アカデミー賞主演女優賞を受賞しました。

『しあわせの隠れ場所』
© 2010 Warner Bros. Entertainment. All Rights Reserved.

なお、近年になり、実在のモデル間で発生した複雑な問題が報じされましたが、当時の映画で描かれた、支える側も支えられる側も成長していくことの素晴らしさや、家族として愛する気持ちの尊さは、色褪せることはありません。

『しあわせの隠れ場所』

2009年製作

デジタル配信中
権利元:ワーナー ブラザース ジャパン
ブルーレイ&DVD発売元/販売元:ハピネット・メディアマーケティング

© 2010 Warner Bros. Entertainment. All Rights Reserved.

思わず涙する、女性騎手ミシェル・ペインの半生を描いた奇跡の実話 『ライド・ライク・ア・ガール』

『ライド・ライク・ア・ガール』
© 2019 100 to 1 Films Pty Ltd

オーストラリア競馬界最高峰のG1レースであるメルボルンカップ。女性騎手は勝てないと言われていたレースを2015年に初めて制したミシェル・ペインの半生を映画化。

『ライド・ライク・ア・ガール』
© 2019 100 to 1 Films Pty Ltd

調教師の父(サム・ニール)のもと、10人兄弟の末娘として生まれたミシェル・ペイン(テリーサ・パーマー)。彼女が生後半年の頃、交通事故で母を亡くすという不幸に見舞われますが、愛情深い父と兄と姉たちに囲まれて、健やかに成長します。

『ライド・ライク・ア・ガール』
© 2019 100 to 1 Films Pty Ltd

兄姉のうち8人が騎手としてデビューした競馬一家で、ミシェルもまた同じ道を歩みますが、男性社会の競馬界で女性騎手が活躍するのは至難の業。過酷な減量にも耐え、有力馬に騎乗する機会を得たものの、落馬により大怪我をしてしまいます。

『ライド・ライク・ア・ガール』
© 2019 100 to 1 Films Pty Ltd

苦境を乗り越えながら自身の夢を追うひとりの女性の姿を清々しく描き出した感動作。娘を心配する父や厩務員として働くダウン症の兄との信頼関係もていねいに描かれ、こうした家族の愛と支えがあったからこそミシェルは騎乗に復帰できたのでしょう。ラストのメルボルンカップのシーンは迫力があり、奇跡の瞬間に胸が熱くなります。

『ライド・ライク・ア・ガール』

2019年製作

DVD ¥4,290 発売中
発売・販売元:ハピネット・メディアマーケティング

© 2019 100 to 1 Films Pty Ltd

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構成・文

ライター 中山恵子

中山恵子

ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。

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