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「乗りかえは任せて、2番線で合ってる」家族4人の温泉旅行で自信満々だった私が、車窓を見て青ざめた理由

  • 2026.10.12

乗りかえを任され、張り切っていた私

去年の秋、両親と弟と私の4人で、山の温泉へ1泊旅行に出かけました。

宿を選んだのは母。電車の乗りかえを調べる役は、私が自分から買って出ました。

家族旅行の段取りを任されるのは初めてです。

前の晩には乗りかえの時刻と番線を手帳に書き写し、大事なところには赤ペンで丸までつけていました。

当日の朝、駅には通勤客がまばらに行き来していました。

私はスーツケースを引きながら先頭を歩き、両親と弟がそれぞれの荷物を持って後ろに続きます。

「ねえ、本当にこっちで合ってるの?」

母が少し心配そうに聞いてきました。

「大丈夫、ゆうべ全部調べてきたから」

私は得意げに手帳を掲げました。

階段を上がると、両側に線路があるホームに出ました。

私は柱の番線表示と手帳を見比べ、家族に向かって胸を張りました。

「乗りかえは任せて、2番線で合ってる」

ところが、ここで私は肝心な確認を忘れてしまったのです。

ほどなくして、ホームに電車が入ってきました。

「あ、来た来た!乗ろう!」

私は行き先の表示も確かめず、先に到着した電車へ乗り込みました。両親も弟も、当然のように私のあとについてきます。

このときの私は、何も疑っていませんでした。

山へ向かうはずなのに、窓の外には海が

車内はすいていて、私たちは4人がけの席に座りました。

窓側に母、その隣に私。向かいには弟と父が座り、スーツケースを足元に寄せました。

「よし、あとは座ってれば着くね!」

すっかり安心した私は、これから泊まる旅館の話を始めました。

母は持ってきたお菓子を配り、父は腕を組んでうとうとしています。

「そうそう、夕食は山の幸のお鍋が出るんだって。楽しみだなあ」

すると弟が笑いながら言いました。

「お姉ちゃん、さっきから食べ物の話ばっかりじゃん」

「だって楽しみなんだもん」

そんな話をしながら、電車に揺られてしばらくたったころです。

窓の外を眺めていた母が、不思議そうにつぶやきました。

「ねえ…なんか、景色が違わない?」

「え?どういうこと?」

私は何気なく窓の外を見ました。

そこに広がっていたのは、山ではなく、どこまでも続く青い海でした。

「…えっ? 海!?」

慌てて手帳を開き、乗りかえの情報を確認します。

2番線。確かにそう書いてあります。調べた番線は間違っていません。

そこでようやく気づきました。

私たちが乗ったのは、2番線の電車ではありません。向かい側の1番線に先に入ってきた、反対方向へ向かう電車だったのです。

私は手帳と窓の外を何度も見比べました。

すると弟が、海を指さして一言。

「お姉ちゃん、山の温泉って、海の見える山なの?」

「ち、違う!ごめん、反対の電車に乗っちゃった!」

母は思わず吹き出しました。

父も目を覚まして窓の外を見ましたが、何も言わずに再び目を閉じてしまいました。

結局、私たちは次の駅で降り、反対方向の電車に乗り直すことに。旅館に着いたのは、予定より1時間遅れでした。

その夜、楽しみにしていたお鍋を囲んでいると、母がしみじみと言いました。

「でもまあ、海も見られて、得したわね」

その言葉に、弟がまた笑い出します。

私は恥ずかしくてたまりませんでしたが、つられて笑ってしまいました。

それ以来、電車に乗る前には必ず行き先の表示を2回、声に出して確認しています。

弟と一緒に電車に乗るときは、隣で小さな声を合わせてくれます。

どうやら、あの日の失敗はまだまだ忘れてもらえそうにありません。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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