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「バイキングなんだから、果物くらいいいだろ」ホテルの朝食で保存容器に果物を詰める夫婦。だが、係員が返した冷静な言葉

  • 2026.10.12
「バイキングなんだから、果物くらいいいだろ」ホテルの朝食で保存容器に果物を詰める夫婦。だが、係員が返した冷静な言葉

楽しみにしていた果物が、いつ見ても空っぽ

母の日と父の日を一緒に祝おうと、姉と2人で両親をホテルに招いたときのことです。

両親は前の晩から、ホテルの朝食バイキングを楽しみにしていました。

当日、僕たち4人は窓際の席で朝食をとっていました。ところが、ひとつ気になることがありました。

果物のコーナーへ行くたびに、メロンもぶどうもなくなっているのです。

「あら、またなかったわ。人気なのねえ」

空のお皿を持って戻ってきた母は、少し残念そうでした。

僕も最初は、補充が追いついていないだけだと思っていました。

そんなとき、隣のテーブルにいた50代くらいの夫婦が目に入りました。

夫婦のテーブルでは、空いているいすに大きなかばんが置かれていました。

そこへ夫が、メロンとぶどうを山盛りにしたお皿を持って戻ってきたのです。

「どうせ料金に入ってるんだ。取れるだけ取っとけ」

夫は妻にそう言うと、お皿を置きました。

さすがに2人では食べきれない量です。

すると妻は、かばんを置いたいすの隣にある壁際の席へ移り、かばんからふた付きの保存容器を取り出しました。

そして、皿に盛られたメロンやぶどうを、次々と容器に移し始めたのです。

ふたを閉めると、そのまま大きなかばんの中へしまいました。

夫は止めるどころか、また果物のコーナーへ向かいます。

「えっ、持って帰るつもりなのか…」

思わず目を疑いました。

母が楽しみにしていた果物を、あんなふうに持ち帰ろうとしているのを見て、黙っているわけにもいきません。

僕は入口付近にいた係の女性に近づき、今見たことを小声で伝えました。

「10個くらいいいだろ」と言い張った夫

席に戻って少しすると、40代くらいの係の女性が夫婦のテーブルへ向かいました。

「お客様、申し訳ありません。お料理のお持ち帰りはご遠慮いただいているんです」

丁寧に声をかけた女性に対し、夫は鼻で笑いました。

「はあ?バイキングなんだから、果物くらいいいだろ」

「申し訳ありませんが、会場内でお召し上がりいただく決まりですので…」

「こっちは高い宿泊代を払ってるんだぞ!」

夫の声が大きくなり、近くのテーブルの人たちも顔を上げました。

すると、かばんを押さえていた妻まで口を開きました。

「なによ。かばんの中まで見せろって言うの?失礼じゃない!」

係の女性は、落ち着いた声で答えました。

「いいえ、中を確認するつもりはございません。ただ、お持ち帰りはできませんので、容器に移された果物をお皿に戻していただけますか」

その言葉に、夫婦は一瞬黙り込みました。

夫は何か言いかけましたが、周囲の視線に気づいたのか、口を閉じます。

妻も顔を赤くしながら、かばんから保存容器を取り出しました。

そして、ふたを開けて中の果物をお皿に戻し始めたのです。

メロンにぶどう、またメロン。

お皿はあっという間に山盛りになりました。

「……10個どころじゃないな」

通路の向こうにいた年配の男性が、小さくつぶやきました。

夫は目をそらしたまま、何も言いません。

係の女性は戻された果物の皿を下げ、その後、新しい果物をコーナーに補充しました。

夫婦はうつむいたまま席を立ち、会場を出ていきました。

しばらくして、母が新しく補充されたメロンをお皿にのせて戻ってきました。

「やっと食べられるわ。おいしそう!」

うれしそうな母の顔を見て、僕もほっとしました。父と姉も笑顔で、朝食の続きを楽しんでいました。

両親に喜んでもらおうと計画したホテルでの一日。途中で思わぬ場面を目にしましたが、最後には母の笑顔を見ることができてよかったです。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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