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「起業しないかって誘われたんだ」起業資金20万円を貸してほしいと言う彼。だが、私が質問攻めにすると彼の態度が一変

  • 2026.10.12

夜のファミレスで頼まれた20万円

30代のころ、付き合っていた彼に、夜のファミリーレストランへ呼び出されました。

仕事帰りのお客さんでにぎわう店内で向かい合って座ると、彼は運ばれてきたコーヒーにも手をつけず、言いにくそうに口を開きました。

「会社の同僚に、起業しないかって誘われたんだ。20万円、貸してくれない?」

突然の話に驚きましたが、まずはどんな計画なのか聞くことにしました。

「えっ、起業?何の仕事をするの?」

「まあ、いろいろだよ。細かいことは聞くなよ」

彼はそう言って、窓の外へ目をそらしました。

「いや、20万円だよ?何に使うのかくらい聞きたいよ」

「同僚がちゃんと考えてるんだから、大丈夫だって」

それでも私が詳しく聞こうとすると、彼はむっとした顔になりました。

そして、テーブルに身を乗り出し、こちらへ手のひらを突き出して声を大きくしたのです。

「俺のこと信用できないのかよ。たかが20万円だろ」

周囲のお客さんが、ちらりとこちらを見ました。

私にとって20万円は、簡単に貸せる金額ではありません。

それを「たかが」と言われ、腹が立つと同時に悲しくなりました。

手帳に書き出した質問に、彼は答えられず…

私はいったん気持ちを落ち着かせ、持っていた手帳を開きました。

ページを左右に分け、左側に質問、右側に彼の答えを書いていくことにしたのです。

「じゃあ、確認させて。会社は同僚と2人で立ち上げるの?」

「…たぶん、2人だと思う」

私は答えの欄に「たぶん」と書きました。

「20万円は何に使うの?」

「それは、同僚が……」

「じゃあ、その同僚はいくら出すの?」

今度は返事がありません。

お店を出すのか、最初のお客さんは誰を考えているのか。続けて聞いてみましたが、彼は口を開きかけては黙ってしまいます。

手帳には質問ばかりが増え、答えの欄には、最初に書いた「たぶん」以外、ほとんど何も残りませんでした。

私はペンを置き、手帳を彼のほうへ向けました。

「これじゃ貸せないよ。何に使うかも分からないお金は貸せないよ」

「……」

「それに、私に怒る前に、あなたも同僚にちゃんと聞いたほうがいいんじゃない?」

彼は顔を赤くして、手帳に目を落としました。

隣の席では、年配の女性客が連れと顔を見合わせ、小さくうなずいているのが見えました。

しばらく沈黙が続いたあと、彼がぽつりと言いました。

「……そうだな。やっぱり、今の会社でがんばる」

私はそれ以上何も言わず、手帳を閉じました。

会計では、自分のコーヒー代だけを払いました。

彼のコーヒーは、最後まで一口も飲まれないまま、すっかり冷めていました。

恋人だからこそ、きちんと説明してほしかった。それが伝わらなかったことが、お金を頼まれたこと以上に残念でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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